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昭和の「極端な退屈」が才能を育てる?脳科学が明かす余白の価値

昭和の「極端な退屈」が才能を育てる?脳科学が明かす余白の価値

「ぼんやり」するとき、脳は実は動き出している

Xで語られた「退屈が創造性を育む」という感覚は、実は脳科学の知見とも重なっている。

人間がぼんやりしているとき、脳の中で特定の「回路」が活発に動き始める。これを「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という。難しい名前だが、要するに「外のことに集中していないとき、脳が内側でせっせと動いている仕組み」だ。具体的には、「昨日あったことを振り返る」「将来の自分を想像する」「自分はどんな人間だろうと考える」——そういった内側に向かう思考と深くつながっている。記憶の整理や新しいアイデアを生み出す力にも関係しており、脳のパフォーマンスや心の健康を研究する分野でも注目が集まっている。

2001年、米国の神経科学者マーカス・レイクル氏が率いた研究チームが、重要な発見をした。何かの課題に集中しているときよりも、何もせずにぼーっとしているときのほうが、脳の特定の部分が活発に働いているというのだ。勉強や仕事に集中しているときこそ脳は全力で動いていると思いがちだが、じつは「ぼんやりタイム」にも脳は別の形でフル稼働している。その後の研究でも、DMNが活発になるほど創造力が高まり、新しいアイデアが生まれやすくなることが示されている。

現代の問題は、スマホや絶え間ない情報によって「ぼんやりする時間」が極端に減っていることにある。脳には「外の課題に集中する回路(TPN)」と「内側で考えるDMN」があり、この2つが交互に切り替わることで、記憶の整理や豊かな発想が育まれる。ところが常に通知や動画が流れ続ける環境では、TPNが酷使され、DMNが動く余地がなくなってしまう。「身悶えするほど退屈な時間」が当たり前だった昭和の子供時代は、今から見れば、DMNが十分に活性化できる環境が自然に保たれていたとも言える。

「あの退屈は苦痛だった」の声も

一方で、「退屈が豊かな時間だった」と振り返れるのは、それを糧にできた人たちの声という側面も忘れられない。退屈を純粋に苦痛として経験し、何も生み出せなかった子供時代の記憶を持つ人もいるという視点は、今回の反応の中にもあった。

また現代の子供も、「スマホがあるから創造性が育たない」と単純に言い切れるわけではない。昭和には存在しなかった創造的な活動が、今の子どもたちの時間を満たしているケースも多い。「退屈の有無」と「創造性の有無」を直接結びつける見方は、現実とは必ずしも一致しない。

それでもXでは、昭和の「何もない時間」を懐かしむ声が続く。

「確かに。今の子供はそんな時間が少ない気がする 暇を潰せる手軽なものが溢れてる」

「昭和の暮らし、外に行って何か探して観察してました。それだけでも楽しかった。今の子どもはすぐ動画やゲームに入っちゃうから忙しそうだなと感じます」

「子どもにはぼーっとする時間が必要」

昭和の退屈が「生涯の趣味の種」になったとすれば、現代の子供にとっての「種」はどんな形で訪れるのか。道具が変わっても、創造性の芽が育つための余白の大切さは変わらないのかもしれない。

配信元: iza!

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