2040年に消化器外科半減!? 外科医不足時代の京大流・後進教育
KUCCIEは市民啓発と並行して、若手医師や医学生に向けた後進教育にも取り組んでいます。この背景には、消化器外科医の減少という医療業界の大きな課題があります。
実際に近年、明らかに若手消化器外科医が減ってきているのを感じています。私が外科医になったばかりの頃は、どの年代も同程度の人数でした。ところが今は上の世代が多くて下が少ない「逆ピラミッド」の構造になっており、消化器外科学会の調査によれば、「2040年には消化器外科医が半分になる」ともいわれています。
したがって、消化器外科医を増やすための活動は、私のもう一つの使命だと感じています。ただ、単純に消化器外科の魅力を伝えても、働き方に不安がある現場では、後輩は付いてきてくれません。仕事のやりがいだけを強調するのではなく、働き方の改善を同時に考えないといけません。
当科では、私が赴任する前からチーム制での診療体制が進んでいました。主治医一人がすべての責任を負うのではなく、チームで分業する仕組みが整っていて、私自身、京都大学に来てからとても働きやすくなったと感じています。とはいえ地域や人手の面でチーム体制を組める病院と組めない病院があるのも事実で、今後は病院の集約化と合わせて考えていく必要があるでしょう。
このほか後進教育の取り組みとして、KUCCIEは医学書院と共催で若手医師向けウェビナー「一歩先を行くスキルアップセミナー」をスタートしました。手術動画の編集や手術イラスト講座、臨床研究のいろはなど、現場で役立つ実務的なテーマを扱っています。
京都発の取り組みを、全国のロールモデルへ
KUCCIEで一連の活動を持続させていくには、さまざまな関係者の支援が欠かせません。今回の市民公開講座には京都市にも後援に入ってもらいましたが、理想的には「共催」のような形まで行政と関係性を深めていければ、より大きなことにも取り組めます。さらに、将来的には企業や支援者にも応援してもらえる自走可能な仕組みを作るため、寄付・協賛の募集も行っています。
今回の市民公開講座では、KUCCIEと京大消化管外科の大腸がん専門の医師8人で分担執筆した解説書『大腸がん丸わかりBOOK』も配布しました。
我々の取り組みが、他の地域でも参考にしてもらえるロールモデルとなり、正しい医療情報が一人でも多くの人に届く形へとつながることを願っています。
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