座りっぱなしの状態が続くとどんな病気を発症しやすくなる?

2型糖尿病
座りすぎは運動の有無に関わらず、2型糖尿病の罹患率を高めます。筋肉を動かさないとインスリンの働きが落ち、血糖値が上がりやすくなります。
深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)
長時間座ると脚の深部静脈に血栓ができやすくなります。この血栓が肺動脈に詰まると肺塞栓症を起こし、命に関わることもあります。デスクワーク中や長距離移動時には特に注意してください。
痔(痔核)
肛門は心臓より下にあるため、座りっぱなしだと肛門周辺の静脈がうっ血しやすくなります。この状態が続くと痔核(いぼ痔)を引き起こします。日本人の約3人に1人が痔に悩んでいるといわれており、デスクワーカーはリスクが高い集団です。
心血管疾患(心筋梗塞・脳卒中)
仕事中ほとんど座っている人は、そうでない人と比べて心血管疾患による死亡リスクが約34%高いとの大規模研究があります。座りすぎは血圧上昇や動脈硬化の進行と関連します。
大腸がん
座りすぎは大腸がんのリスクを高めます。長時間座ると腸の蠕動運動が弱まり、発がん物質が腸粘膜に長く接触します。複数の疫学研究で、実際に座位時間と大腸がんの関連が確認されています。
座りっぱなし対策

30分に1回は立ち上がる(ブレイク)
厚生労働省「身体活動・運動ガイド2023」では、30分ごとに座位を中断する「ブレイク」を推奨しています。立ち上がってコーヒーを淹れたり、トイレに行くだけでも十分です。私が患者さんにまずお勧めするのがこの方法です。
座ったままできるストレッチ
会議中などでどうしても立てない場合は、かかとの上げ下げやつま先立ちを行いましょう。足首を回す運動も下肢の血流改善に役立ちます。厚生労働省もエコノミークラス症候群予防として「足の運動」を推奨しています。
正しい座り方を意識する
椅子に深く腰かけ、骨盤を立てた状態を保ちましょう。足の裏は床にしっかりつけ、膝は90度前後に曲げます。画面の位置は目線と同じ高さが理想です。姿勢を整えるだけでも腰痛の予防になります。
スタンディングデスクの活用
座りすぎ対策として、立ったまま仕事ができる昇降式デスクの導入もお勧めです。座位と立位を30〜60分おきに切り替えると、腰への負担が分散されます。
こまめな水分補給
水分をこまめに摂ると自然とトイレに立つ回数が増えます。これだけで座りっぱなしの時間を中断できます。1日1.5〜2リットルを目安に飲むと、血液循環の改善にもつながります。脱水は血栓リスクも高めるため、意識的に水を摂りましょう。

