2030年の労使交渉(CBA)に向けた最大の火種に
カウボーイズのオーナーであるジェリー・ジョーンズ氏をはじめ、多くのスタジアムオーナーは「W杯終了後は(コストと維持の問題から)再び人工芝に戻す」意向を明言している。用が済めば、また固い人工芝に逆戻りというわけだ。
現在、米スポーツ界ではMLB(大リーグ)が今季で期限切れとなる労使協定(CBA)の改定を巡って激しくもめているが、NFLも決して対岸の火事ではない。NFLの現在のCBAは2030年までとなっているが、今回のサッカーW杯で露呈した「オーナー側の安全に対する説明の矛盾」と「金とやる気さえあれば、どんな大工事も天然芝も用意できる」という事実は、次回の労使交渉において、選手会側がオーナー側を徹底追及する最強のカードとなるだろう。
日本代表が熱戦を繰り広げるダラスの美しいピッチ。その鮮やかな緑の芝の下には、数兆円規模のビジネスと選手たちの健康、欺かれた説明への怒り、そしてアメリカのプライドが複雑に絡み合う、根深い対立が埋まっている。

