●なぜ、わずか6日で不起訴になった?
追送検が2026年6月4日で、不起訴が同月10日。わずか6日での決着でした。
身柄を拘束していない事件なので、これほど急ぐ法律上の義務はありません。それでもこれほど迅速に処理されたのは、すでに公判が進んでいる起訴済み2件への集中を優先した結果と考えられます。
特に、起訴済みの2件はすでに公判前整理手続に付されており、主張や証拠の整理が進められています。新たに送検された3件の事件を追加で起訴することになると、さらに3件の新事件についての主張や証拠の整理が必要になり、裁判が長引くおそれがあります。
また、そのようにして追起訴したとして、量刑への影響も限定的と考えられます。
複数の罪が重なる場合、刑の上限は最も重い罪の1.5倍にとどまりますし(刑法47条)、そもそも今回のケースで上限いっぱいの量刑になる可能性も低いと思われます。
したがって、3件の追起訴が加わっても、起訴済みの2件だけで処理する場合と比べて量刑が格段に重くなるというわけでもない、と考えられます。
追送検された3件の事件が仮に起訴された場合、有罪の認定がされる可能性はそれなりにあると思われます。
しかし、検察として、無罪判決のリスクを負ってまで3件を無理に起訴するメリットが乏しかった、とも考えられます。
監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

