もし違和感を覚えたら?
「ナイトガード=副作用で歯が浮く」と過度に心配する必要はありません。次のことに気を付けてみてください。
・違和感を放置しない
「最近、前歯で麺類をかみ切りにくくなった」「奥歯が浮いている感じがする」「奥歯だけが強く当たる気がする」などと感じたら、顎の位置や歯の並びに変化が起き始めているサインかもしれません。「慣れれば大丈夫」と我慢して使い続けず、すぐに歯科医師に相談してください。
・定期的に歯の当たり方をチェック
ナイトガードは使っているうちに少しずつ削れていきます。削れるとかみ合わせのバランスが変わるため、定期的に歯科医院で「今の状態に合っているか」を確認・調整してもらう必要があります。
・装着時間や方法を守る
歯科医師から指示された装着時間や、正しい付け方を守りましょう。自己判断で使い方を変えてしまうと、意図しないかみ合わせの変化を招くリスクが高まります。
ネットの情報だけで「ナイトガードは危険だ」と判断するのは早計です。装置の設計、装着時間、そして元々の顎の状態などを総合的に診断することで、リスクを抑えながら安全に歯を守ることができます。
かみ合わせが合わない「開咬」のデメリット
Q.もし「開咬」になると、どのような困りごとが起きるのでしょうか。
石川さん「大きく分けて『食事のしにくさ』『特定の歯への負担』『将来的な歯の寿命』の3つに影響が出る可能性があります。『開咬』は単に見た目の問題だけでなく、口全体の健康バランスを崩すきっかけになります」
(1)「かみにくい」という日常の不便
・前歯がかみ合わない場合
レタスや麺類などの食べ物を前歯で「かみ切る」のが難しくなります。
・奥歯がかみ合わない場合
どこでかんでいいのか分からず、常にかみ合わせに違和感(浮いているような感覚)を抱くようになります。
(2)残っている歯に「過剰な負担」がかかる
・かみ合っている歯の数が少ないということは「本来なら全員で支えるはずのかむ力を、少人数の歯で支えている」状態です。
・接触している特定の歯に力が集中し、歯が削れる(摩耗)、割れる(破折)、あるいは詰め物・被せ物が壊れやすくなるといったトラブルを招きます。
(3)将来、自分の歯を多く残せるかどうかの指標
歯科業界には「80歳で20本の歯を残そう」という「8020運動」があります。 実は、8020を達成した方々を調査したある研究では、「開咬の人は1人もいなかった」という驚きの報告があります。
「開咬だと絶対に歯を失う」という意味ではありません。しかし、バランスの良いかみ合わせが、歯を長持ちさせるための重要な条件の一つであることを示唆しています。
開咬の影響がどれくらい出るかは、その人の筋肉の強さや歯の状態によって個人差があります。 「最近、前歯が使いにくい」「特定の歯だけが強く当たる気がする」といった変化は、口からのサインかもしれません。
少しでも違和感があれば、早めに歯科医師に相談し、マウスピースの調整やかみ合わせのチェックを受けるようにしましょう。
