学術総会のテーマ「Ready to Fly」に込めた二つの思い
学術総会テーマの「Ready to Fly」には、二つの思いを込めました。
一つは、白内障・屈折矯正という分野そのものが、技術も手術の手法も成熟し、次のステージへ飛び立つ準備が整ったということです。もう一つは、若い医師や研究者へのメッセージです。日本には世界からも評価される技術があります。学術総会が次世代へ技術を引き継ぎ、若手が自分で新しい価値を生み出す挑戦の滑走路になればと願っています。
また、海外の進んだ知見を学ぶだけでなく、日本から世界へ新しい価値を発信できることを今回の学会で示したいと思っています。能力がありながらきっかけに恵まれず成果が埋もれがちな若手は少なくありません。そのため今回は若い先生方に積極的に発表の舞台に上がってもらいます。今回の発表で注目され、次の共同研究や登壇につながっていくことを期待しています。
これからの医療は、1人の名医が支える時代ではありません。視能訓練士(CO:視力検査や目の機能の検査・訓練などを担う国家資格の専門職)や看護師、カウンセリングを担うスタッフ、機器を開発する企業、そして基礎研究に携わる人たち――工学や理学の研究者も含めて、多くの専門性が集まることで新しい医療が生まれます。
今回、対面のみの現地開催としたのも、ここに理由があります。オンラインは、効率よく知識を得るには便利です。ですが、新しいアイデアや共同研究、人と人との信頼、偶然の出会いは、顔を合わせる場でこそ生まれます。「本屋でふと手に取った本に夢中になる」――あの感覚は、画面の前では得がたいものです。
「Ready to Fly」は、学会だけでなく一人ひとりへのメッセージでもあります。特に、若い人には失敗を恐れずに飛び立ってほしい。日本の眼科医療には、まだ世界に発信できる価値があります。未来をつくるのは皆さんだと信じて、私はその場をできる限り用意したいと思っています。
*本稿には特定の治療法についての記述がありますが、情報提供のみを目的としたものであり、医療上の助言や受療促進などを目的とするものではありません。
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