世界的にも問題視されている子どもの「SNSの乱用」。欧米の親はどう行動している?
近年、世界的に大きな問題となっているのが、子どもの「SNSの乱用」です。スマホなどのデジタルデバイスは今や私たちの生活とは切っても切り離せないもの。

一方、子どもたちに自由に使わせることで、同年代同士でSNSを通した「いじめ」や「仲間はずれ」が起きたり、子どもたちが匿名の大人とネット空間で接触してしまったりといった問題も起きています。
渡米33年のジャーナリスト・教育者の冷泉彰彦氏は『ヨーロッパなどでは15~16歳未満のSNS参加を禁止する動きも出てきています』とした上で、SNS運営企業の地元でもあるアメリカの取り組みも明かしています。
まず、子どもと匿名の大人が接触してしまう問題については、アメリカでもさまざまな規制が模索されている、とのこと。一方で、子ども同士の問題については親が介入することで、問題のブレーキをかける姿勢が一般的だと言います。
欧米の家庭で多いスマホルールの中身、そして思春期のデジタル教育で最も大切なこととは?
では、具体的にどんな取り組みをしてスマホの問題にブレーキをかけているのでしょうか?冷泉氏によると『欧米の家庭では、思春期の子どものデジタルデバイス利用について、「完全に禁止する」のではなく、自律を育てるための明確なルールを設ける』家庭が増えているそうです。

ルールは「時間」「場所」「目的」の3つを明確にしたもので、冷泉氏は『「screen-free zones(スクリーン禁止区域)」として、ダイニングテーブルや寝室を指定する家庭が多く見られます』と明かします。
例えば、「寝室にスマホを持ち込まない」とのルールを設定している場合は、夜間はリビングなどの共有スペースでスマホを充電し、就寝前30分から1時間はスマホの使用を禁止するのが一般的。実際に寝室での使用に厳しいルールを設けている家庭の方が『思春期の子どもの睡眠時間が長く、学業成績もよい』という研究もあるそうです。

また、「食事中はスマホ禁止」というルールは、子どもだけでなく親も守ることが重要とされています。欧米では「家族の会話を優先する」という厳格なルールを設けている家庭が多く、中にはスマホの使用禁止だけでなく「全員が食べ終わるまで離席しない」ことをルールにしている家庭もあるそうです。
一方、「宿題・家事が終わるまではスマホ禁止」という「順序のルール」も一般的です。『アメリカの親たちの実例でも、「Homework first」「No phone before chorers(家事)」は定番のスローガンで、スマホは「権利」ではなく、「責任」のあとに使うもの』と考えられているからです。

冷泉氏はこうしたルールについて、子どもへの「監視」よりも親子の「信頼」が重視されているとも述べています。
単に制限をかけるだけでなく、子どもの年齢が上がるにつれ少しずつ自主性を渡していく——。高校生になる15歳ぐらいで、ルールを「卒業」させるのが一般的なのだとか。
最終的な目標は、子どもたちが「自分でコントロールできる力」を持つことです。『ルールを守らせること以上に、「なぜ必要なのか」を理解させることが、思春期のデジタル教育では最も大切だ』との考えが浸透しているようです。
