大腸がんの疑いがあるのは「臭いおならが頻発」「無臭のおならが頻発」どっち?メディカルドック監修医がそれぞれのおならで考えられる病気も解説します。

監修医師:
関口 雅則(医師)
浜松医科大学医学部を卒業後、初期臨床研修を終了。その後、大学病院や市中病院で消化器内科医としてのキャリアを積み、現在に至る。内視鏡治療、炎症性腸疾患診療、消化管がんの化学療法を専門としている。消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、総合内科専門医。
「大腸がん」とは?

大腸がんは、結腸や直腸の粘膜から発生する悪性腫瘍を指す病気です。国立がん研究センターの2023年実測データでは、男女ともに罹患数が第2位、男女計では第1位を占める身近な病気です。早期では自覚症状に乏しく、進行すると血便や便通異常、腹部のしこりなどが現れる場合があります。おならの臭いや回数の急な変化が、受診のきっかけになることも少なくないでしょう。
「臭いおならが頻発」する原因

おならの臭いは、腸内で生成される硫化水素やアンモニアなどのガス成分により左右されます。食生活の偏りや腸内環境の乱れがあると、悪臭の元となる成分が増えやすくなる仕組みです。ここでは、臭いおならが頻発する代表的な5つの原因をわかりやすく紹介します。
動物性たんぱく質の過剰摂取
動物性たんぱく質は、肉類・卵・乳製品などに多く含まれる栄養素です。腸内の悪玉菌に分解されると、インドールやスカトール、硫化水素といった刺激臭の強い成分を生み出します。焼肉やステーキを多く食べた翌日に臭いが強くなる経験は、この機序で説明できる現象です。野菜とのバランスを意識した食事が、臭い対策の基本といえるでしょう。
腸内細菌のバランスの乱れ
腸内には善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類が共存しています。ストレスや抗菌薬の使用、食生活の偏りでバランスが崩れると、悪玉菌が優勢になりがちです。悪玉菌は食物残渣を腐敗させ、強い臭気を持つガスを多く発生させます。発酵食品や食物繊維を取り入れる工夫が、腸内環境の改善に役立つと考えられています。
便秘によるガスの停滞
便秘で大腸内に便が長く留まると、腐敗が進み硫化水素やアンモニアなどの悪臭ガスが増加します。排便回数が減ると排ガス量が増え、臭いも濃縮されて強まる傾向があります。水分摂取や適度な運動、規則正しい排便習慣の確立が改善の糸口となるでしょう。慢性化する場合には、消化器内科への相談を検討してください。
硫黄を含む食品の摂取
ニンニク・玉ねぎ・ニラ・ブロッコリー・キャベツなどには含硫化合物が豊富に含まれます。これらが分解される過程で硫化水素が生成され、卵が腐ったような独特の臭いを放ちます。通常摂取量では問題ありませんが、過剰に摂ると一時的に臭いが強くなりがちです。数日で自然に治まる場合は、食事内容の影響と判断してよいと考えられます。
ストレスや自律神経の乱れ
強いストレスや睡眠不足が続くと、自律神経のバランスが崩れて腸の蠕動運動が低下します。腸の動きが鈍ったり、食物が長く留まったりすることで、臭いの強いガスが増加しやすくなります。リラックスする時間や十分な睡眠、適度な運動が腸の働きを整える助けになるでしょう。長引く際は過敏性腸症候群の可能性もあります。

