「臭いおならが頻発」で考えられる病気

臭いおならが続く背景には、消化器系の何らかの病気が隠れていることもあります。食事を改善しても変化がなかったり、他の症状を伴ったりする場合は、受診の目安となるでしょう。ここでは「臭いおならが頻発」する場合に考えられる代表的な病気を3つ紹介します。
過敏性腸症候群(IBS)
腸に器質的な異常がないにもかかわらず、腹痛や便通異常が慢性的に続く機能性疾患です。ストレスにより腸の動きや知覚過敏が生じ、ガス産生やおならの臭いに影響を与えます。下痢型・便秘型・混合型・分類不能型に分けられ、ガス症状が前面に出る方も少なくありません。長引く場合は消化器内科で他疾患の除外を含めた診察を受けましょう。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
潰瘍性大腸炎やクローン病は、腸管に慢性的な炎症を起こす自己免疫的な疾患です。腸内環境の乱れから硫化水素を産生する細菌が増え、おならの臭いが強くなることがあります。下痢や血便、腹痛、体重減少などを伴う場合は、放置せず早めに専門医へ相談してください。厚生労働省の指定難病として、医療費助成の対象となる疾患群です。
大腸がん
大腸がんが進行すると腫瘍が腸管を狭め、便やガスの通過が妨げられます。また腸内細菌叢のバランスが崩れ、硫化水素を産生する細菌が増えるとの報告もあります。おならの臭いが急に強くなり、血便や便柱狭小化(べんちゅうきょうしょうか:便が細くなること)、体重減少を伴う場合は要注意のサインです。40歳以上では、便潜血検査や大腸内視鏡検査によるスクリーニングが推奨されています。
「無臭のおならが頻発」で考えられる病気

無臭でもおならの回数や量が極端に多い場合は、消化機能や生活習慣に何らかの偏りが潜んでいる可能性があります。食事改善で治まらず慢性的に続くケースでは、受診を検討する価値があるでしょう。ここでは「無臭のおならが頻発」する場合に考えられる代表的な病気を3つ紹介します。
呑気症(空気嚥下症)
唾液とともに空気を多量に飲み込むことで、げっぷや腹部膨満感、おならが増える病態です。飲み込んだ空気は無臭の窒素や酸素が中心であるため、おならの臭いは弱い傾向にあります。ストレスや早食い、噛みしめ癖が関連すると考えられ、生活習慣の見直しが治療の中心です。症状が強い場合は、心療内科や消化器内科へ相談しましょう。
乳糖不耐症
乳糖を分解する酵素ラクターゼが不足し、牛乳や乳製品で症状が出る食物不耐症です。未消化の乳糖が大腸で発酵し、水素ガスが大量に発生してお腹の張りや下痢を伴います。発生するガスの多くは無臭であるため、量は増えても臭いが強くないことが多い傾向です。水素呼気試験で診断でき、乳製品の制限やラクターゼ補充で改善が見込めます。
慢性便秘症
慢性便秘症は、便秘が慢性的に続き日常生活や身体に支障をきたしうる病態と日本消化管学会で定義されています。発酵が始まったばかりの段階では水素やメタンなど無臭のガスが優勢で、おならの回数のみが増えがちです。さらに発酵が進むと硫化水素などの悪臭ガスが加わり、においが強くなる傾向があります。生活習慣の改善で変化が乏しい場合は、ガイドラインに沿った治療を検討します。

