おいしさは“重ね方”で決まる
——味づくりで意識していることは?
大切にしているのは、食べ進めるごとに表情が変わることです。
ビリヤニは、あえてすべてを均一に混ぜ込まずに炊き上げています。スパイスがしっかりしみ込んだ部分と、お米本来の香りが生きる部分が一皿の中に共存しているんです。
だから一口ごとに味わいが少しずつ変化する。「味のグラデーション」を楽しんでもらいたいと思っています。
化学調味料を使わずに、ラーメンのように何度も食べたくなる中毒性を生み出すことも意識しています。
——食感にもこだわりがあるそうですね
炊き上がったときの「ふわっ、パラッ」という食感も重要です。
ビリヤニは、米とグレイヴィーそれぞれの水分量と塩分量が少しでもずれると、全体のバランスが崩れてしまいます。粘り気の少ないバスマティライスだからこそ生まれる軽やかな口当たりと、肉の旨味をしっかり感じられるバランスを追求しています。
編集部メモ
水分量や蒸らし時間など、ビリヤニは繊細な調整が求められる料理。 わずかな差が仕上がりに大きく影響するという。
ビリヤニの魅力を伝えるために
——ビリヤニの魅力を伝えるうえで、難しさを感じる点はありますか?
ビリヤニは料理の難しさゆえに、インド人シェフでも上手に炊ける人はほんの一握りと言われています。
「ビリヤニを食べてみたい!」と思って初めて食べたビリヤニがあまり好みではなかったため、それ以来興味を持てなくなったという方もたくさんいます。
——そんな方にはぜひ「 強い女」のビリヤニを食べていただきたいですね!
ぜひ、食べていただきたいです。「そうじゃないんだ、これを一回食べたらわかる!」という思いがあります。
だからこそ、“本当においしい”ビリヤニを丁寧に提供し続けたい。ビリヤニの魅力を知るきっかけになれたらうれしいですね。

