
三重県志摩市で「的矢かき」の養殖・販売を行う佐藤養殖場は、養殖過程で発生する牡蠣殻を活用して育てた酒米を原料としたオリジナル日本酒「的矢廻(まとやめぐり) 生原酒」720ml・2,900円(税込)を数量限定で販売する。
同商品は、志摩市にある「佐藤養殖場直売所」および多気町にある「VISON」内の「旨いもん広場」などで購入できる。
廃棄されていた牡蠣殻を地域資源として循環

佐藤養殖場では長年、「的矢かき」の養殖を行う中で発生する牡蠣殻の有効活用について模索してきた。
牡蠣殻は豊富なミネラルを含む一方で、活用方法が限られ、多くが処理対象となっていたそう。そこで着目したのが農業分野での活用だ。
牡蠣殻を肥料として利用し、その土壌で三重県の酒造好適米「神の穂」を栽培。その米から日本酒を醸すことで、海の恵みを新たな価値へとつなげる取り組みが始まった。
「的矢廻」という名前には、海から生まれた牡蠣殻が大地を巡り、酒となって再び地域へ還る循環の物語を込めたそう。また、この日本酒を通じて伊勢志摩の豊かな自然や食文化、人々の営みに触れてもらいたいという願いも込められている。
地域をつなぐ新たな協働
この取り組みは、1社だけでは実現できなかったという。
酒造りを担ったのは伊賀市の老舗酒蔵である大田酒造。また、2026年からは、地域で建設土木業を営む出馬重機とも新たに連携し、活用されていなかった農地の整備と酒米栽培を始めた。それぞれ異なる分野で培われた技術や知見が重なり合うことで、新たな地域の価値創出につながっている。
地域資源を活かしながら、人と人、産業と産業を結び直す。「的矢廻」は、そんな地域の協働から生まれたプロジェクトでもある。
