俳優の岡田将生が主人公の田鎖真、染谷将太が弟の稔を演じる連続ドラマ「田鎖ブラザーズ」(TBS系、金曜午後10時)の最終回が19日に放送された。物語の結末は、兄弟に寄り添ってきた足利晴子(井川遥)の犯行という、真と稔にとっては悲しすぎる衝撃的な幕切れとなったが、その内容以上に視聴者を釘づけにしたのが、第7話(5月22日放送)で逮捕された紘橋市職員の秦野小夜子(渡辺真起子)の存在。31年前の晴子を秦野が唆すシーンは多くの視聴者を震撼させ、SNSが「ここでまた出てくるとは!」「こんな前から暗躍してたんか」と騒然となった。
最終回の答え合わせ…犯人は誰?動機は?兄弟は復讐を遂げた? 解明された謎と残った謎
「田鎖ブラザーズ」とは
2010年4月27日に殺人罪などの公訴時効が廃止されたものの、わずか2日の差で両親殺害事件の時効が成立してしまった兄弟が、刑事と検視官として凶悪事件に向き合いながら31年前に起きた両親殺傷事件の真相を追い続けるクライムサスペンス。連続ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」「海に眠るダイヤモンド」(いずれもTBS)などで知られる新井順子氏がプロデューサーを務める。
「田鎖ブラザーズ」最終回の流れ(ネタバレあり)
最終回は、茂木幸輝(山中崇)に兄弟の両親殺害を指示した辛島金属工場の元工場長・辛島貞夫(長江秀和)に復讐するため、真と稔が、妻のふみ(仙道敦子)とともに潜伏中の別荘で貞夫に密造銃を向けている場面からスタートした。ふみが、生前の茂木から聞いた話として、包丁で刺された夫妻が声も出さず、逃げもしなかったと伝えると、稔は復讐を思いとどまり、茂木が犯行に及ぶ前に両親が死んでいたのなら、真犯人は別にいるのではないかと考え始めた。
法医学者・神楽健介(JP)の協力で31年前の検視資料を見直した結果、2人が茂木の犯行前に毒殺されていた可能性が浮上した。当時の検査基準では見落とされた毒物があった可能性もあったが、検体はすでに処分されており、調査は行き詰まる。そんななか、2人でやきそばを食べていた際に事件当日の夕食の光景を思い出し、両親だけがやきそばに酢をかけていたことに気づく。2人はかつての自宅から酢の容器を探し出し、鑑定に回した。だが陽性反応は出ず、稔はより精密な鑑定技術を持つラボがあるドイツへ渡航し、ジギタリスという植物由来の毒物成分が残っていたことを突き止めた。その毒物を摂取すると、心肺機能が停止して死に至る可能性があった。
一方、真は密造銃の取引に絡んで殺された「漁師の公司」という人物について調査を進めていた。当時、辛島のもとで工員として働いていた父・朔太郎(和田正人)が、貞夫の代理で行った取引の品が密造拳銃だと知って工場へ引き返したことで取引は不成立となり、その影響で海上運搬を担当していた公司が殺されていた。真は、公司の姓が「足利」であることを知り、彼が晴子の父だったという衝撃の事実にたどり着く。さらに、事件の証拠として警察に保管されていた当時の晴子の衣類を調べたところ、袖口からジギタリスの成分が検出された。帰国後、その事実を知らされた稔は「31年も追いかけて…なんで」と絶句。翌日、すでに辞職を決意していた真と同様に県警へ辞表を提出すると言い出した稔は、午後7時に蓬田港へ晴子を呼び出したと告げて家を出た。
おもちゃのロボットの中に隠していた密造銃を稔が持ち出したことに気付いた真は、稔が1人で復讐を遂げようとしていると察し、自らも港へ向かう。予定より早く現れた真に、稔が「真が兄弟でよかった」と安堵の表情を見せ、真が拳銃を渡すよう手を差し出したところで晴子が現れ、31年間ひた隠しにしてきた真相を告白した。
密造銃の取引が不成立に終わった2日後の1995年4月15日、公司は酒に酔って海へ転落し亡くなったとされた。17日、当時16歳だった晴子(中西希亜良)は、漁協から返された父の遺品の業務ノートに記された「(暴力団組員の)天城」「取引」「辛島の工場」「トラブル」という、漁とは関係なさそうな言葉に目を留める。そして辛島金属工場へ向かい、朔太郎が密造銃の取引に行かなかったせいで公司が殺されたと貞夫が叱責する場面を目撃してしまう。朔太郎を逆恨みした晴子は、彼の行動を調べ始め、合鍵の隠し場所や留守になる時間を把握。さらに、朔太郎がやきそばに酢をかける習慣があることも知った。同19日、晴子は「正体不明の相談相手」から「気分転換に読んでみたら」と言われ植物図鑑を渡された。そこにはジギタリスの特性が掲載されていた。
事件当日の26日、合鍵を使って留守中の田鎖家に侵入した晴子は、酢の容器に毒液を仕込む。そして、テーブルにこぼれた毒液を袖口で拭き取った。その晩、晴子は朔太郎の様子を確認するため田鎖家へ向かったが、その途中、夫妻を刺して飛び出してきた茂木とすれ違いざまに左上腕を切りつけられる。助けを求めて家から出てきた真に案内されて再び田鎖家に入った晴子は、容器の中の液体をシンクに流して証拠隠滅。振り向くと、血を流して絶命した夫妻の姿が目に入った。その光景が脳裏に焼き付き、晴子は自身の毒殺計画は失敗に終わったと思い込んでいた。
すべてを知り、憎しみを募らせる兄弟。稔から密造銃を取り上げた真は晴子に銃口を向けた。観念した晴子は静かに目を閉じた。引き金に指をかけた真は絶叫。夜の港に一発の銃声が響き、現場には数滴の血痕が残された。

