βエンドルフィンが分泌されると体にどんな効果がある?

βエンドルフィンが関与すると、体と心にさまざまな変化が起こり得ます。ただし効果の出方には個人差があり、βエンドルフィンだけで説明できるわけではありません。代表的な働きを3つ紹介します。
痛みを抑える(鎮痛作用)
βエンドルフィンは、痛みの感じ方を和らげる方向に働くことがあります。痛み刺激が入ると、体はそれに対抗する仕組みを働かせ、内因性オピオイドが関与して痛みの伝達や知覚(痛みとして感じる過程)を調整すると考えられています。そのため、強い緊張状態や興奮状態のときに、ケガをしていてもその場では痛みを強く感じにくいことがあります。ただし、痛みが軽く感じられても損傷が軽いとは限りません。運動中や事故のあとに痛みが少ない場合でも、腫れや変形、出血がある、動かしにくいなどがあれば医療機関で確認しましょう。
ストレスや不安の軽減
内因性オピオイド系は、ストレス反応や気分にも関係すると考えられています。運動のあとや笑ったあと、入浴後などに「ほっとする」「気が楽になる」と感じることがありますが、これはβエンドルフィンを含む複数の体内物質の働きによる可能性があります。ただし、ストレスや不安は睡眠、生活環境、心の状態、体調(甲状腺や貧血など)など多くの要因で変動します。「βエンドルフィンが出れば必ず不安が消える」といった断定は避け、日常生活の整え方と合わせて考えることが大切です。
多幸感・気分の高揚
長時間の運動後などに、気分が高揚して「気持ちいい」「スッキリする」と感じることがあります。いわゆるランナーズハイのような状態には、内因性オピオイドだけでなく、エンドカンナビノイド(体内で作られる別の神経調整物質)などが関係するとも考えられています。 また、好きな音楽、恋愛、スキンシップ、美味しい食事などの心地よい体験でも、脳の報酬系が働き、気分が前向きになることがあります。これもβエンドルフィン単独というより、さまざまな仕組みが重なった結果と捉えるとよいでしょう。
βエンドルフィンが分泌されにくい行動や生活習慣

βエンドルフィンを含む“体内の調整物質”は、生活習慣の影響を受けやすいと考えられています。ただし「これをすると出ない」と決めつけるのではなく、体調を整えるためのヒントとして捉えましょう。
運動不足の生活
運動は気分転換やストレス対策に役立つことがあり、体内のさまざまな物質が関与すると考えられています。運動不足が続くと、ストレス発散の機会が減り、気分が落ち込みやすくなることがあります。 いきなり強い運動は不要です。短い散歩、軽いストレッチなど、できる範囲で体を動かす習慣を持つことが大切です。
慢性的なストレスや睡眠不足
慢性的なストレスや睡眠不足は、心身の回復を妨げ、気分の安定にも影響します。睡眠が不足するとイライラしやすくなったり、痛みに敏感になったりすることもあります。 「エンドルフィンが出ないから不調」と単純化はできませんが、ストレスと睡眠は多くの不調に共通して関係します。睡眠時間の確保、寝る前のスマホを控える、休日も起床時刻を大きくずらさないなど、できる工夫から始めましょう。
アルコール多飲や薬物乱用
アルコールや薬物は、脳の報酬系(快感に関わる仕組み)に強い影響を与えます。短期的には気分が変わったように感じても、長期的には睡眠の質を悪化させたり、不安を強めたり、依存につながったりするリスクがあります。 「自然に整う力」を守るためにも、飲酒は量を控えめにし、処方薬は医師の指示どおりに使用しましょう。自己判断で増量したり、他人の薬を使ったりするのは危険です。

