「片手のしびれ」「両手のしびれ」どっちが脳卒中の初期症状として疑われる?

結論から言うと、脳卒中の初期症状として強く疑われるのは「片手のしびれ」です。
人間の脳は、右脳が体の左半身を、左脳が体の右半身の運動や感覚を支配するという構造になっています。脳卒中(脳梗塞や脳出血)は、左右どちらか片方の脳の血管が突然詰まったり破れたりすることで発生することが多いため、出現する神経症状は「障害された脳とは反対側の半身(片側の手足や顔)」だけに現れやすいのです(右脳が障害されれば左の手足、左脳が障害されれば右の手足がしびれます)。
これに対して、「両手のしびれ」は、脳卒中ではなく、首の骨の変形によって脊髄自体が圧迫される「頚椎症性脊髄症」や、慢性的な高血糖によって手足の末梢神経が左右対称にダメージを受ける「糖尿病性末梢神経障害」、あるいは手首の靭帯が神経を圧迫する「手根管症候群」などの病気が原因であることが大半です。
片側の手だけに、ある日突然生じたしびれや感覚の鈍さは、時間の経過とともに重篤な状態に陥るリスクが高いため、速やかに救急車を呼ぶ、あるいは脳神経外科や脳神経内科を受診することが大事です。
【手のしびれ以外】脳卒中の初期症状

脳卒中は手のしびれだけでなく、他にもさまざまな初期症状が突然現れます。
片側の顔面の麻痺
脳の運動神経が障害されると、顔の片側の筋肉が動かなくなります。
例えば、顔の片側が下がっている、ゆがんでいる。口角(くちびるの端)が片方だけ下がってしまう。「いー」と発声したときに、左右対称に口が広がらない。水分を飲もうとすると、口の端からこぼれてしまう。などといった症状が現れます。
片腕・片足の脱力や麻痺
片方の手足に力が入らなくなったり、自分の意志で動かせなくなったりします。しびれと同時に起こることも多い症状です。
片方の腕がだらんと下がってしまう。両腕を前にまっすぐ伸ばして目を閉じると、片方の腕が維持できずに下がってくる。箸やペン、お茶碗を突然落としてしまう。歩こうとすると片足を引きずってしまう、スリッパが脱げてしまう。などの症状が当てはまります。
言語の障害・ろれつが回らない
突然、言葉にまつわるトラブルが発生します。舌や顎の動きが麻痺して話し方が不明瞭になり、他人から聞き取りにくい話し方になる「構音障害」や、頭では理解しているのに言いたい言葉が全く出てこなくなる、相手の話している言葉の意味が全く理解できなくなる「失語症」が急激に現れます。
突然の激しい頭痛
突然の激しい頭痛は、特に「くも膜下出血」が発症した際に見られる特徴的な症状です。これまでに経験したことのないような「突然バットで頭を殴られたかのような激しい頭痛」が急激に発生し、吐き気や嘔吐を伴います。重症の場合には、そのまま意識が薄れて呼びかけに応じなくなる意識障害を伴うこともあります。
視覚の異常
突然、視覚に異常が生じることもあります。片方の目にカーテンがかかったように真っ暗になって一時的に見えなくなったり(一過性黒内障)、見える範囲(視野)の右半分または左半分がごっそり見えなくなったり(同名半盲)、あるいは物が二重にダブって見える(複視)などの症状が突然現れます。

