急性大動脈解離の治療による生存率の改善

急性大動脈解離は重篤な病気ですが、早期に診断され、適切な治療を受けることで救命できる可能性があります。Stanford A型では緊急手術が必要になることが多く、人工血管置換術などが行われます。
海外の研究では、Stanford A型急性大動脈解離の早期死亡率は外科治療後でもおよそ9〜25%と報告されています。一方で、手術を行わない場合は死亡リスクがより高くなるため、診断後は速やかな治療判断が重要です。
Stanford B型は、破裂や臓器虚血がなければ薬物療法を中心に管理することがあります。合併症がある場合には、ステントグラフト内挿術などのカテーテル治療や手術が検討されます。
急性大動脈解離の生存率を左右する要因

急性大動脈解離の予後は、年齢、基礎疾患、合併症の有無、医療体制などによって変わります。ここでは、急性大動脈解離の生存率を左右する要因を解説します。
年齢や基礎疾患
急性大動脈解離の予後には、年齢やもともとの病気が関係します。高齢の方、心不全や腎機能低下がある方、糖尿病や動脈硬化がある方では、治療後の合併症リスクが高くなることがあります。
また、高血圧は大動脈解離の重要な危険因子です。治療後も血圧が高い状態が続くと、再解離や大動脈拡大のリスクが高まるため、長期的な血圧管理が大切です。
合併症の有無
心タンポナーデや大動脈破裂、脳梗塞、心筋虚血、腸管虚血、腎不全、下肢虚血などを伴う場合は、予後が悪くなりやすくなります。特にショック状態や意識障害を伴う場合は、緊急性が高い状態です。
Stanford B型でも、破裂や臓器への血流障害がある場合は、薬物療法だけでは不十分なことがあり、カテーテル治療や手術が必要になることがあります。
治療施設や医療体制
急性大動脈解離では、診断から治療までを速やかに進められる医療体制も重要です。造影CTによる診断、心臓血管外科、麻酔科、集中治療、カテーテル治療などに対応できる施設では、状態に応じた治療へつながりやすくなります。
突然の強い胸痛や背部痛がある場合は、自分で病院を探して移動するのではなく、救急要請を検討しましょう。適切な医療機関へ早く搬送されることが、その後の経過を左右します。

