ステージG4〜G5・透析が必要になった場合の費用
腎機能がさらに低下するG4以降では、貧血治療薬(ESA製剤)やリン吸着薬など薬の種類が増え、治療費も上昇します。G5では透析(人工腎臓)または腎臓移植の準備が始まります。以下はG4〜G5の月あたり費用の目安です。
■ 外来診察料・検査費・目安金額(月):約4,000〜10,000円
■ 薬代(降圧薬・貧血治療薬・リン吸着薬など)
・目安金額(月):約3,000〜15,000円
■ 合計(目安)
・目安金額(月):約7,000〜25,000円
※上記はあくまで目安です。受診する医療機関や検査内容・投薬内容により異なります。
透析が始まると、医療費の総額(10割分)は月に約40万円に達することがあります。血液透析(けっえきとうせき)とは、機械で血液をきれいにする治療で、週3回・1回4〜5時間の通院が必要です。費用が非常に高額になりますが、後述の「特定疾病療養受療証」を利用することで、自己負担額を月10,000〜20,000円に大幅に抑えることができます。
知っておきたい公的制度
CKDの治療は長期にわたるため、公的制度を活用することで自己負担を大きく減らすことができます。これらの制度は自動的に適用されるものではなく、自ら申請することが必要です。主な制度を以下にまとめます。
■ 高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)
1か月の医療費が一定額を超えると、超過分が後から払い戻される制度です。自己負担の上限額は収入によって異なります。たとえば一般的な収入(年収約370万〜770万円程度)の方であれば、1か月の自己負担上限は約80,100円+(医療費総額−267,000円)×1%です。医療費が10万円かかった場合でも、自己負担は約80,100円程度に抑えられます。
事前に「限度額適用認定証」を取得しておくと、医療機関の窓口での支払いを最初から限度額にとどめることができます。申請窓口は、会社員の方は勤務先の健康保険組合または全国健康保険協会(協会けんぽ)、自営業・無職の方は居住地の市区町村窓口です。
また、マイナンバーカード(マイナ保険証)でオンライン資格確認をすると自動で自己負担限度額が適用されるため、高額療養費の申請不要や、窓口での支払いが自己負担限度額までに抑えられるというメリットがあります。
■ 特定疾病療養受療証(とくていしっぺいりょうようじゅりょうしょう)
慢性腎不全で人工透析が必要な方は、「特定疾病」として指定されています。この認定を受けると、1か月の医療費の自己負担上限が10,000円(70歳未満の高所得者は20,000円)になります。透析を受けている方にとって最も重要な制度のひとつです。申請窓口は、健康保険組合(会社員)または市区町村の国民健康保険窓口(自営業・無職)です。
■ 身体障害者手帳(しんたいしょうがいしゃてちょう)
腎臓機能の低下が一定程度以上になると、身体障害者手帳(腎臓機能障害)の申請ができます。等級に応じて医療費の公費助成(自立支援医療)や各種福祉サービスが受けられます。透析中の方は1級に該当することが多く、自己負担のさらなる軽減が期待できます。申請窓口は市区町村の福祉担当窓口(障害福祉課など)です。
■ 医療費控除(いりょうひこうじょ)
1年間に支払った医療費の合計が10万円を超えた場合、確定申告で医療費控除を申請すると所得税の一部が還付されます。通院のための電車・バス代も対象になります。CKDの長期治療では毎年対象になるケースが多いため、領収書は必ず保管しておきましょう。申請窓口は最寄りの税務署、またはe-Taxでのオンライン申告も可能です。

