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「あまりにずさんな訓練」陸自レンジャー隊員に「重さ7キロ」機関銃が直撃して死亡…遺族が国提訴

「あまりにずさんな訓練」陸自レンジャー隊員に「重さ7キロ」機関銃が直撃して死亡…遺族が国提訴

陸上自衛隊のレンジャー部隊の訓練中、訓練塔から落下した機関銃が地上の隊員に直撃して死亡した事故をめぐる裁判が始まった。

亡くなった男性隊員の遺族が国に総額約1億3700万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が6月24日、東京地裁で開かれた。

原告側が意見陳述し、国側は請求棄却を求めた。男性の妻は法廷で「夫の死が無駄にならないために、提訴することを決めました」とうったえた。

この日、原告代理人が東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開き、提訴に至った経緯などを説明した。

●訓練塔から落ちた機関銃が直撃

訴状などによると、事故は2025年3月13日午後6時45分ごろ、長野県松本市の陸上自衛隊松本駐屯地内の訓練場で発生した。

約30人が参加したレンジャー練成訓練の夜間科目で、ヘリコプターなどからロープを使って降下する「空路潜入」訓練中、高さ約15メートルの訓練塔最上部にいた隊員が、携行していた5.56ミリ機関銃(全長約1メートル、重さ約7キロ)を負いひも(スリング)から脱落させた。

機関銃は、地上で安全係をつとめていた男性隊員(当時2等陸曹)の左胸に銃口部分から当たり、男性は搬送先の病院で死亡した。

原告代理人の佐藤博文弁護士は「事実上、即死だった」と説明した。

亡くなった男性は1984年1月生まれで、第13普通科連隊に所属。レンジャー部隊の一員として誇りを持って任務にあたっていたという。

●「規則もマニュアルもなかった」 4つの安全配慮義務違反を主張

訴えを起こしたのは、男性の妻と子ども2人、両親の計5人。

原告側は、部隊には次の4つの安全配慮義務違反があったと主張している。

(1)降下訓練に関するマニュアルなどがなく、事故防止の統一した認識や対策の共有がなかった。

(2)脱落防止用ベルトや負いひもに、官用品ではなく隊員が個人で購入した私物が広く使われていた。

(3)朝昼夜の訓練で装具を着け外しするのに、訓練の初めに口頭で指示しただけで、その都度の点検がなかった。

(4)相互確認や第三者によるチェックの体制がなかった。

佐藤弁護士は、自衛隊が労働安全衛生法などの適用外であることに触れ、「危険な訓練なのだから、独自の規則やマニュアルがあるだろうと思ったが、まったくなかった」と指摘した。

レンジャー訓練は事故が相次ぎ、2025年4月以降は一部を除いて中止されているという。

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