●当初は提訴の意思なし 処分の軽さに不信
遺族は当初、提訴する考えはなかったという。
事故直後は、加害隊員らについても寛大な処分でよいと考えていた。しかし、懲戒処分が軽すぎることや、刑事処分をめぐる不満があり、自衛隊の対応を問題と捉えて提訴を決断したという。
自衛隊は、機関銃を落下させた隊員を停職1日、訓練の指導や計画に関わった2等陸尉2人を減給15分の1(1カ月)、訓練計画を指導する立場だった佐官を戒告としたとされる。
佐藤弁護士は「たとえば月30万円もらっている人なら、2万円減らされただけ。これで責任を果たしたといえるのか」と疑問を呈した。
●五ノ井里奈さんの事件を「彷彿させる」
書類送検されたのは、機関銃を落とした20代の3等陸曹のみ。業務上過失致死の疑いで長野地検松本支部に送致され、いまも係属中だ。
佐藤弁護士は、自衛隊幹部が遺族への説明会で「今回の事故は刑法違反でないので処分が軽い」と述べたことを問題視した。
「起訴するかどうかを決めるのは検察官であって、自衛隊が決めることではない」と述べたうえで、警務隊の捜査を検察官がそのまま追認する構図は、陸上自衛隊の五ノ井里奈さんの性暴力事件を「彷彿させる」と指摘した。

