「急性大動脈解離」は”お腹や腰にどんな痛み”が出るかご存じですか?特徴を医師が解説!

「急性大動脈解離」は”お腹や腰にどんな痛み”が出るかご存じですか?特徴を医師が解説!

急性大動脈解離で痛みが出やすい部位と特徴

急性大動脈解離で痛みが出やすい部位と特徴

痛みの現れる部位は、解離の起こる位置や進行のしかたによって異なります。代表的な部位ごとの特徴を解説します。

胸部の痛み

胸の中央からやや左側にかけての痛みは、急性大動脈解離でみられる症状の一つです。特に心臓に近い上行大動脈で解離が起こった場合に生じやすいとされています。
痛みは突然出現し、とても強く感じられることが多く、心筋梗塞と区別が難しいこともあります。ただし、解離では引き裂かれるような痛みと表現されることが多く、発症の仕方や痛みの性質が診断の手がかりになります。

背中の痛み

背中、特に肩甲骨の間あたりに強い痛みを感じる場合は、下行大動脈に解離が及んでいる可能性があります。
この部位の痛みも突然出現し、持続的で強いことが特徴です。胸の痛みと同時に感じることもあれば、最初から背中の痛みとして現れることもあります。腰痛や筋肉痛と誤認されることもあるため、痛みの強さや急な発症が重要な判断材料として使えます。

腹部の痛み

解離が腹部の大動脈に及ぶと、腹部の痛みとして感じられることがあります。みぞおちから下腹部にかけての痛みとして現れることがあり、消化器疾患と間違われることもあります。
また、腸や腎臓への血流が低下すると、腹痛に加えて吐き気や食欲低下、尿量の変化などがみられることもあります。単なる腹痛と異なり、突然強い痛みとして出現する点が特徴です。

肩や腰に広がる痛み

急性大動脈解離では、痛みが一つの部位にとどまらず、肩や腰などへ広がることがあります。これは、解離が大動脈に沿って進展することで、関連する神経に沿って痛みが放散するためと考えられています。
例えば、胸の痛みから始まり、背中、さらに腰へと移動していくように感じるケースもあります。このような広がり方や移動は特徴的な所見の一つであり、診断の手がかりになります。

急性大動脈解離が疑われる場合の対処法

急性大動脈解離が疑われる場合の対処法

急性大動脈解離が疑われる場合には、迅速で適切な対応が重要です。受診の目安や初期対応、医療機関での流れを解説します。

緊急受診が必要な症状

突然の強い胸痛や背部痛が出現した場合には、急性大動脈解離を含めた緊急疾患を考える必要があります。特に、これまで経験したことのない強い痛みや引き裂かれるような痛みは重要なサインです。

また、痛みが胸から背中、腹部へと移動する場合や、意識が遠のく、失神する、呼吸が苦しいといった症状を伴う場合には、重篤な状態である可能性があります。

さらに、手足のしびれや動かしにくさ、ろれつが回らないといった症状がみられる場合は、血流障害による神経症状の可能性もあり、速やかな対応が必要です。このような症状がある場合は、迷わず救急要請を検討しましょう。

搬送されるまでの対応

救急要請を行った後は、できるだけ安静にし、無理に動かないようにします。身体を動かすことで血圧が上昇し、解離が進行する可能性があるためです。

横になれる場合は楽な姿勢をとり、衣服をゆるめて呼吸をしやすくします。不安や痛みによって興奮状態になると血圧が上がりやすいため、できるだけ落ち着いた環境を保つことも重要です。

周囲に人がいる場合は、症状の経過や発症時刻を共有し、救急隊に伝えられるようにしておくと、その後の対応がスムーズです。

医療機関で行われる検査と治療

医療機関では、まず全身状態の評価とともに、急性大動脈解離の有無を確認するための検査が行われます。代表的な検査としては、造影CTがあり、大動脈の状態や解離の範囲を迅速に評価することができます。

そのほか、心エコーやMRIなどが用いられる場合もあり、状況に応じて検査が選択されます。また、血圧や心拍数の管理も重要であり、薬剤によって循環動態の安定化が図られます。

治療は解離の部位によって異なり、上行大動脈に及ぶ場合は緊急手術が必要となることが多く、下行大動脈に限局する場合は内科的治療が選択されることもあります。いずれの場合も、迅速な診断と適切な治療が予後を左右します。

配信元: Medical DOC

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