朝ドラ「風、薫る」第64回(6月25日放送)振り返り
この日の放送では、ツヤの努力と限界、フユが抱える将来への不安、そして「看護とは何か」という問いが描かれた。特にツヤの体調悪化は以前から積み重ねられてきた無理の結果ともいえ、今後の展開を左右する出来事となりそうだ。
【以下ネタバレ】
4人の同期で看護婦にならなかった泉喜代(菊池亜希子)が病院を訪れた。伝道者となった喜代は教会関係者の見舞いに訪れ、りんや多江との再会を喜ぶ。りんは、自習を続けるツヤを喜代に紹介。喜代のような看護婦になりたいと語るツヤに喜代は驚くが、仕事の合間や寝る時間を削って勉強に励むツヤの体調をりんや喜代たちは心配する。その後、喜代は周囲との差に不安を感じながらも努力を続けるツヤの孤独さを感じ、りんに見守ってほしいと頼んだ。
一方、団子屋ではシマケンが完成した小説の原稿を手にしていた。団子30本を注文した直美から小説家を目指した理由を尋ねられると、「子供のころ病弱で、あまり外に出られなくて。物語の中でなら遠くへ行けるから 」と語るが、りんへの思いを見抜かれるとかなり動揺する。そんなシマケンに、直美は「手強いですよりんは。相当鈍いから 」と笑いながらも応援を約束した。
翌日、フユは直美からの差し入れを食べながら、生徒たちとの距離を縮めようとする考えを甘いと切り捨てる。さらに、教育を受けた看護婦が増えることで、自分たち看病婦の居場所がなくなるのではないかと将来への不安を口にし、時代の変化を前にした複雑な胸の内を垣間見せた。
教場で、りんは、間違いは許されないが、人間は間違いを犯すものだからこそ、間違いに互いに気づけるように仲間と協力することも看護では大切だと講義。その最中に、居眠りするツヤをヒデが起こす。外科実習では、患者から手紙の投函を頼まれたヒデが断ろうとするが、りんが代わりに引き受けた。フユに責められ納得できないヒデは、それは看護なのかと問いかけるが、りんも明確な答えを見つけられない。ため息をついたりんは、改めて看護の役割ついて考えさせられ、バーズの言葉を思い出した。
その夜、直美がかつて暮らしていた長屋の大家トヨ(松金よね子)が倒れたとの知らせが入る。直美とりんが駆けつけると、トヨには頻脈の症状が見られた。直美は受診を勧め、自分が費用を負担すると申し出るが、トヨは頑なに拒否する。患者を救いたくても救えない現実を前に、直美は無力感を募らせた。
昼間の病室で、無理を重ねていたツヤが立ちくらみを起こす。心配したフユが駆け寄るが、ツヤは大丈夫だと返し、不穏な空気を残した。
朝ドラ「風、薫る」とは?
大関和と鈴木雅という実在した2人のトレインドナース(正規に訓練された看護師)をモチーフにした朝ドラ。激動の明治時代、まったく違う境遇に生まれ、それぞれ生きづらさを感じていた2人の女性が、未開の看護の道を切り開いていく姿を描く。「あなたのことはそれほど」「病室で念仏を唱えないでください」「くるり~誰が私と恋をした?~」などの連ドラで知られる吉澤智子さんが脚本を書き、Mrs. GREEN APPLEが主題歌「風と町」を歌う。

