一生続くの?大人の「喘息(ぜんそく)」リアルな毎月の薬代と負担をグッと減らす鉄則

一生続くの?大人の「喘息(ぜんそく)」リアルな毎月の薬代と負担をグッと減らす鉄則

「吸入薬を毎月買い続けると、どれくらいの費用になるのだろう」「喘息(ぜんそく)と診断されたが、長期通院で家計が苦しくならないか心配だ」といった不安を感じている方は少なくないのではないでしょうか。気管支喘息(きかんしぜんそく)は症状が落ち着いても治療を継続する必要がある慢性疾患のため、月々どれくらいの費用がかかるのかを早めに知っておくことは、治療を続けていくうえでも、家計管理のうえでもとても重要です。この記事では、安定期の外来通院費・吸入薬の費用の目安、費用を抑えるための方法、活用できる公的制度について解説します。


浅川 貴介

監修医師:
浅川 貴介(浅川クリニック)

浅川クリニック 副院長。合同会社世田谷産業医事務所 代表社員。2010年東邦大学医学部卒業後、医師免許を取得。公益財団法人日産厚生会玉川病院で勤務した後、東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科にて腎臓病診療に従事。その後、医療法人社団七福会ホリィマームクリニックを経て、2022年より浅川クリニックに勤務。医学博士。日本内科学会 総合内科専門医、日本腎臓学会 腎臓専門医、日本透析医学会 透析専門医。労働衛生コンサルタント(保健衛生)、東京都福祉局認定難病指定医。

安定期の喘息治療費の目安

気管支喘息の治療は、症状が落ち着いている「安定期(あんていき)」にも毎月の継続が基本です。安定期の治療の目的は、気道(きどう)の炎症(えんしょう)を抑えて発作(ほっさ)が起きにくい状態を保つことです。気道とは空気の通り道のことで、喘息では常に気道に軽い炎症があり、それが発作の引き金になります。一般的に安定期の患者は、内科や呼吸器内科に1〜3か月に1回程度通院し、吸入薬を処方してもらいます。症状が安定している場合は、2〜3か月分をまとめて処方してもらうことも多くあります。以下の表は、受診1回にかかる費用の目安(3割負担)です。

■ 外来診察料
・内容:内科・呼吸器内科での診察
・費用の目安(3割負担):約1,500〜3,000円/回
■ 処方箋料
・内容:医師が吸入薬を処方する際の料金
・費用の目安(3割負担):約200〜700円/回
■ 調剤基本料(薬局)
・内容:薬局での薬の調剤にかかる費用
・費用の目安(3割負担):約200〜600円/回
■ 吸入薬(ICS/LABA配合剤)
・内容:症状をコントロールする主な薬
・費用の目安(3割負担):約2,500〜6,000円/月
■ 月額合計(目安)※通院費は2〜3か月に1回として月換算
・内容:-
・費用の目安(3割負担):約3,000〜8,000円程度

※上記はあくまで目安です。受診する医療機関や検査内容・投薬内容により異なります。

診察では症状の変化・吸入薬の使い方・ピークフロー(肺の空気の出しやすさを測る数値)の確認が行われます。初診時は呼吸機能検査(スパイロメトリー)などが行われるため、初回のみ5,000〜10,000円程度(3割負担)の追加費用がかかることがあります。喘息治療管理料(ぜんそくちりょうかんりりょう)という指導加算も受診時に算定されます。管理の方法によって2種類あります。喘息治療管理料1は、医療機関がピークフローメーターやピークフロー測定日記などを患者さんに提供し、計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定されます。3割負担の場合、最初の月は約225円、次の月以降は約75円です。一方、喘息治療管理料2は、6歳未満または65歳以上の喘息患者さんで、吸入ステロイド薬を使用する際に吸入補助器具(スペーサーなど)が必要な場合に、医療機関が吸入補助器具を提供し、使用方法などの服薬指導を行った際に、初回に限り算定されます(月ごとの継続算定はありません)。令和8年度改定により点数が280点から400点に引き上げられたため、3割負担の場合は約1,200円です。なお、吸入補助器具にかかる費用は、この管理料に含まれます。実際の窓口負担額は、診察料や処方料、検査料などと合算されるため、上記は管理料のみの目安です。

吸入薬の種類と費用の違い

喘息治療の中心は吸入薬です。吸入薬(きゅうにゅうやく)とは、薬を霧状や粉末にして直接気道に届ける薬のことで、飲み薬に比べて少量で高い効果が得られます。症状の重さや重症度に応じて、複数の種類が組み合わせて使われます。

■ フルタイド / キュバール
・種類:ICS(吸入ステロイド単剤)
・月額費用の目安(3割負担):約1,500〜2,500円
■ フルティフォーム
・種類:ICS / LABA配合剤
・月額費用の目安(3割負担):約2,500〜4,000円
■ シムビコート
・種類:ICS / LABA配合剤
・月額費用の目安(3割負担):約3,000〜5,000円
■ アドエア
・種類:ICS / LABA配合剤
・月額費用の目安(3割負担):約3,500〜5,500円
■ レルベア
・種類:ICS / LABA配合剤
・月額費用の目安(3割負担):約3,000〜4,500円
■ サルタノール / メプチン
・種類:SABA(発作時の短時間型気管支拡張薬)
・月額費用の目安(3割負担):約500〜1,000円

※上記はあくまで目安です。受診する医療機関や検査内容・投薬内容により異なります。

最も広く使われるのは、ICS(吸入ステロイド薬)とLABA(長時間作用型β2刺激薬)を組み合わせた配合剤です。ICSとは気道の炎症を抑える薬、LABAとは気管支(きかんし)を広げて呼吸を楽にする薬のことです。たとえば医療費が10,000円の場合、3割負担では3,000円の自己負担となります。配合剤は1本で2種類の薬の効果が得られ、使い忘れを防ぎやすいという利点もあります。発作時に使う短時間作用型気管支拡張薬(SABA:数分以内に気管支を広げる薬)は「お守り薬」として処方されることが多く、月額500〜1,000円程度(3割負担)が目安です。

配信元: Medical DOC

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