京都男児行方不明事件後に問い合わせが増加。子ども用「見守りGPS」の最前線

最新モデルは交通系ICカードと驚きの連携

ーー最新モデルの第6世代にはどんなこだわりがありますか?

八木 主に、通学や習い事で電車を利用しているお子さんに向けて作りました。BoTトークの端末と交通系ICカードを一緒に入れられるケースを作って持ち歩けるようになっています。子どもが改札を通る際、端末がICカードを読み込むようになっていて、親に「◯◯駅の改札を入場しました」と通知が届いたり、「Suicaの残高◯◯円」とアプリに表示されたりします。

第6世代では、従来の機能のほか、自動改札の入出場やICカードを使用した買い物の記録、残高も表示される。全国の自動改札に対応(画像提供:ビーサイズ)

ーーこんなに小さいのに、ものすごい働きをしていることに驚きます。

八木 端末自体はすごくシンプルに見えますが、やっていることは意外と高度なんですよ。結局、本当に役立つもの・安心に貢献できるものってなんだろう、ということを突き詰めていくと、そうじゃないものは搭載せずに排除していくし、本当に安心するものにはなんとしても収める……という開発をがんばってやっています。

ーー企画会議がどんなふうに行われているか、とても気になります。

八木 企画会議はあんまりないんです。そのつどメンバーが「こういうアイデアいいんじゃないか」と出して、搭載するかしないかは皆で判断しています。

この交通系ICカードのアイデアは私が出しましたが、電車に乗っている小学生がパスケースをリュックの前面にぶらさげているのをよく見かけるじゃないですか。「あそことBoTトークは共存できる場所なんじゃないか」と思い、そこから企画がスタートしました。

BoT端末と交通系ICカードが背中合わせで収納できて、ランドセルやリュックのフックにつけられる「シリコンウォレット」も発売(端末とは別売り)

八木 その後、社内メンバーには技術開発者が多数在籍しているので、新機能を搭載するための相談をして「量産するにはこういう課題があるよね」ということを乗り越えていく、という流れです。

ーー口コミで絶賛されている機能として、「よく行く場所を学習して、普段行かない場所に行くと通知してくれる」というものがあります。AIが学習するんですね。

八木 そうですね、AIの見守り機能です。子どもによって行動範囲が狭い子もいれば広い子もいて、子どもの行動を学習してパーソナライズされています。

見守りAIが子どもの行動範囲を自動的に認識。普段行かない場所に行くと自動で知らせてくれる。よく行く場所を「通知スポット」として登録すると、到着・出発をプッシュ通知で知らせてくれる機能も(画像提供:ビーサイズ)

ーー本当に安心・安全が詰まっていますね。

八木 子どもの行動範囲が広がることは子どもの成長としてはいいことなので、ぜひ行動範囲を広げてほしいですよね。ですが、未知の領域に行くと、親としてはちょっとアンテナを張らなきゃいけない側面もあるので、そういったお知らせをしています。

ーーこの機能はどの段階でついたんですか?

八木 第1世代を出したあと、アップデートで提供しました。そのとき料金も変わらなかったので、ユーザーのみなさんからは「神アプデ来た!」みたいな感じで、好意的に受け止めていただきました。

ーーそう言いたくなる気持ち、とてもわかります!

「見守りを高級品にしない」全子育て世帯に届けるための価格帯の背景

ーーこれだけ充実したサービス内容だと、本体価格・月額利用料が高額になってもおかしくなさそうです。

八木 弊社以外の各社は、自社設計・自社開発していないんです。もし「OEMメーカーに外注して作る」という工程を入っていたら、その分、利益を乗せて売ることになってしまいます。我々は1社でやっているので、上乗せのない価格で高品質なものを提供できるというのが強みです。

社内には巨大な装置が並び、あらゆる耐久テストを行っている。「こういった過程を外注すると、外注先にはノウハウが残るけど自社には残らず開発力が失われる。アップデートごとにまた同じ課題にあたってしまい、メーカーの技術力が蓄積されないことに危機感を覚えます」(八木さん)

ーー最新モデルは、初代と変わらず本体価格が5,280円、月額利用料が528円または748円です。

八木 この価格は開発後に決めた価格ではなく、パパ・ママが「(税抜きで)5,000円を切る」「500円を切る」という価格なら気軽に買っていただけるんじゃないかということで決めたんです。

僕は「見守りが高級品ではいけない」と思っています。それぞれの所得水準によって採用できるか否かが決まってしまうと、「安全はお金持ちしか得られないもの」になってしまう。それではいけないと思い、誰もが手に入る価格で提供したくて、最初から価格を決めて開発に取り掛かりました。

ーー他社も同様の価格帯で販売していますよね。

八木 そうですね。我々がその価格で出すと他社さんも追随せざるを得ない。この価格がひとつの基準になったことも、見守りGPSの普及が加速した一因かなと思います。

ーー今後、全子育て世帯にまんべんなく行き渡る社会になればと思います。自治体から連携の声がかかったりはしませんか?

八木 まさに今年3月に連日報じられた、京都の小学生が登校途中に行方不明になった事件以降、自治体からの問い合わせが増えています。小学生のGPS携帯について補助金を出す自治体もあれば、自治体でまとめて買って提供するというパターンもあります。そんなふうに地域と連携しながら新しい時代の見守りを提供していくことに、貢献していければいいなと思っています。

ーーここまでお話をうかがい、八木代表はどこまでも社会に対して優しい眼差しを向けているなと、驚くばかりです。

八木 自分ではわかりませんが(笑)、ものづくりを通して貢献できることが好きなんです。Appleや無印良品など影響を受けた企業はいくつかあるんですが、そういった要素をかいつまんでいくと、結局「いいものをどうデザインして世の中に貢献するか」というところに行き着きました。それがいまの生業になっているかなと思います。

八木 ものづくりってちょっと矛盾がありまして。モノが溢れている時代なのにモノを作るなんてエゴなんじゃないか、マーケティングのビジネスなんじゃないのか、と悩むこともあります。

けれど、本当にいいもの・研ぎ澄まされたものを作れば、トータルで世の中にとってよくなる。そういうものだけをきちんと提供していこう、と思いながら作っています。

ココがポイント!パパ・ママたちに支持されるヒミツ

Point1:安心の日本設計・日本製造による高品質

設計・製造を海外OEMメーカーに発注している企業も多いなか、「BoTトーク」はすべて国内で完結。設計は社内で、製造は国内で行い、すべて目の届くところでものづくりを行っています。

会社の代表にもかかわらず、八木さんが設計・耐久テストに携わることも当たり前なんだとか

Point2:20件以上の特許技術で実現された、No.1の安心

国内外初となる多様な技術を創出し、20件以上の特許を保有。音声データの文字起こし機能や、AIが行動範囲を学習してパーソナライズ化し、範囲を超えた際に検知する技術、同一端末での自在なプラン切り替え機能など、子どもの安心・安全のための技術や機能が守られています。

Point3:社内のリアルパパ・ママが自社で設計開発する本物の安心

初代から現在まで、パパ・ママ社員の声や技術がリアルに反映。そのつどアイデアが生まれ、開発に繋がる環境があります。

まとめ

「社会課題をデザインとテクノロジーで解決する」

そんなミッションを胸に、何年もかけて革新的な見守りGPSを開発した背景には「自身の子どものために」という父親としての想いもありました。

子どもが安心して冒険できるように、そして親が安心して子どもを送り出し、成長を見守れるように。そんな多くの親の想いが、この小さな端末に詰まっているのです。

子ども見守りGPS「BoTトーク」/ビーサイズ
https://www.bsize.com/bot/talk


「子ども見守りGPSサービス」ユーザー満足度調査2026(アイディエーション調べ)の「3.『子ども見守りGPS』各サービスの利用率」より

(取材・文:有山千春、撮影:松野葉子、取材協力:ビーサイズ、編集:マイナビ子育て編集部)

配信元: マイナビ子育て

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