介護での正しい身体の起こし方|起き上がり手順や状態別のポイントを解説

介護での正しい身体の起こし方|起き上がり手順や状態別のポイントを解説

状態別|安全に身体を起こすためのポイント

状態別|安全に身体を起こすためのポイント

自力で少し動ける方の場合はどう介助すればよいですか?

自力で少し動ける方の介助は、本人が動こうとする力を引き出すことが基本です。

まず「横を向けますか?」と声をかけ、本人のペースで動き出すのを待ちます。寝返りがしやすいよう、本人の力で膝を立てたり腕を胸元に寄せたりするよう促し、動きが足りない部分だけを軽く支えます。

起き上がる際は、本人が足をベッドの外へ下ろす動きや、肘・手でベッドを押し上げる力を主役にします。介助者はその動きを妨げないよう、肩や背中に手を添えてバランスを支える程度に留めましょう。

最後に足の裏が床に着き、自身でしっかり座れているかを確認することで、安心感と転倒防止につながります。

ほとんど動けない場合や身体に麻痺がある場合はどうすればよいですか?

ほとんど動けない方や麻痺がある方を起こす場合は、事前に姿勢や手足の位置を整え、無理な負荷がかからないように進めます。

麻痺のある手足は感覚が鈍いこともあるため、身体の下に入ったまま動かさないよう確認が必要です。介助者は要介護者の状態に合わせて、肩まわりや骨盤を安定させながら、ゆっくり身体の向きを変えます。

全介助に近い場合は、電動ベッドの背上げ機能や介助バーなどを使うと、要介護者と介助者の負担を抑えやすくなります。痛みや強いこわばりがある場合は、無理に起こさず、ケアマネジャーや訪問看護師、医師などに状況を共有しましょう。

起こし方の注意点と活用できる福祉用具

起こし方の注意点と活用できる福祉用具

起こすときに介助者が気を付けるべきポイントは何ですか?

要介護者を起こす前に、介助者は「これから身体を起こします」と声をかけ、要介護者の反応や体調を確認します。急な動作は不安や抵抗だけでなく、めまいなどの体調変化を招く恐れがあるため注意が必要です。

ベッド周辺の障害物を確認し、要介護者ができる動きは活かしつつ、介助者自身の腰への負担も考慮した姿勢で、横向きから起き上がる自然な動作に沿って支えることが基本です。

介助者が腰を痛めないためのコツはありますか?

介助者が腰を痛めないためには、腕の力だけで要介護者を持ち上げようとしないことが大切です。介助時は、身体の使い方を意識することで腰への負担を軽減しやすくなります。

具体的には、以下の点を意識しましょう。

・足を前後左右に開き、姿勢を安定させる
・要介護者に近づき、重心を合わせる
・腰ではなく膝を曲げて重心を下げる
・腰を捻らず、足先を動かす方向へ向ける
・持ち上げず、滑らせる動きを意識する
・必要に応じてスライディングシートやリフトなどを使う

無理に起こしてはいけないケースはどのような場合ですか?

要介護者に強い痛み、骨折の疑い、めまい、吐き気、息苦しさ、および意識の混濁(呼びかけへの反応が薄い)などがある場合は、無理に身体を起こさないようにします。また、血圧の変動が激しいときや、要介護者が強く拒否しているときも事故のリスクが高まるため注意が必要です。

無理な介助は、転倒や病状の悪化を招く恐れがあります。普段と様子が違う場合は安静を優先し、速やかに医療職や介護専門職へ報告・相談しましょう。

要介護者を起こすときに利用できる福祉用具はありますか?

起き上がりの介助では、要介護者の身体状況に合わせて福祉用具を活用すると、介助者と要介護者の双方の負担を軽減しやすくなります。

・電動ベッド:背上げ機能により自動で上体を起こし、介助負担を大幅に軽減
・ベッド用手すり・介助バー:ベッドからの立ち上がりや、掴まりながら起き上がる動作をサポート
・突っ張り型手すり:天井と床で固定し、ベッド周辺の任意の場所に掴まるポイントを設置
・ベッド用グリップ(ベッドはしご):紐やはしご状の器具を引っ張り、腕の力を利用した起き上がりを補助
・スライディングシート:背上げ時にお尻や背中にかかる摩擦を減らし、身体のズレを滑らかに調整
・介護リフト:自力での起き上がりが困難な場合、電動で安全に身体を持ち上げて抱え上げ負担を軽減

身体の状態によって適した用具は異なるため、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に確認するとよいでしょう。

配信元: Medical DOC

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