●審議中でも廃棄されていたのか
そうすると、新たな疑問が浮かぶ。
開示請求の時期にかかわらず、「廃棄済み」と説明される運用だったのではないか、という点だ。

平口洋法務大臣は6月26日の閣議後会見で、「保存期間を1年未満とする文書に該当するとの判断のもと、法令に従って廃棄済みであるとの報告を受けています」と説明した。
保存期間が「1年未満」であれば、制度上は短期間で廃棄されることもあり得る。
ただし、法務省の説明どおりであれば、自民党部会で再審制度の見直しが議論されている最中にも、関連する行政文書が次々と廃棄されていた可能性があることになる。
●弁護士ドットコムニュースは審査請求
再審制度は、1948年に刑事訴訟法が制定されて以来、約80年にわたって見直しがおこなわれてこなかった。
その間、袴田巌さんや前川彰司さんの再審無罪や、大川原化工機事件など、違法な捜査や証拠隠しの問題が相次いで明らかになり、ようやく制度改革の機運が高まった。
一方、政府案をめぐっては、冤罪に加担してきた法務省・検察の姿勢に対し、自民党内からも厳しい批判が相次ぎ、部会では怒号が飛ぶ場面もあった。
こうした歴史的な法改正の議論の過程を示す行政文書について、法務省は「すでに廃棄した」と説明しているが、にわかには信じがたい。
弁護士ドットコムニュースは、この不開示決定を不服として、5月19日に審査請求をおこなった。

