わからないから怖い。「うつろ舟」という江戸時代のミステリー
『源頼光公舘土蜘作妖怪図』 歌川国芳 1843年
この他、歌川国芳が妖怪を描きながら幕府を風刺した浮世絵や、ろくろ首との関係も指摘される「飛頭蛮」の伝承資料、また西アジアから北アフリカにかけてのおとぎ話の集大成である『アラビアンナイト』など、実に多彩な「怖い本」が並ぶ本展。最後にぜひご覧いただきたい作品を一点ご紹介します。
『うつろ舟の図』 19世紀(江戸時代)書写
江戸時代の瓦版の写しである『うつろ舟の図』です。大きな釜のような球体と人の姿が描かれ、一見しただけでは怖さはまったく感じられません。しかしここには、1803年に起きたある不思議な出来事が伝えられています。一体、なんだと思いますか?
その出来事とは、常陸国(現在の茨城県)の海岸に「うつろ舟」が漂着したというもの。舟の中には見知らぬ文字が記され、青白い肌に赤い髪の女性が一人、大切そうに箱を抱えて乗っていたとされています。
思わず想像してしまうのはUFOに乗った宇宙人…。同様の出来事を伝える瓦版は他にも残っているものの、真相はいまだ謎のまま。何が何だかわからないからこそ、背筋がゾクゾクするような怖さを覚えるのでした。
行く前にチェック!会期・料金・アクセスまとめ
東洋文庫のシンボルとも言える「モリソン書庫」
開幕からおよそ1か月、SNSでも話題を集めている企画展『「怖い」本』。現在、土日を中心に混雑が続いており、時間帯によっては入場まで待つ場合があります。同館では、平日(火曜休館)または土日の午前中、もしくは15時以降の来館を推奨しています(最終入館16時30分)。
東洋文庫ミュージアムの公式Xアカウント(@toyobunko_m)でも、最新の混雑状況について発信中です。会期は9月23日まで。怖くて、でも楽しく、そして学びの多い「怖い本」の世界を、この夏ぜひ体験してみてください。
※作品・資料はすべて公益財団法人東洋文庫蔵。なお本記事で紹介する作品・資料の順番は、実際の展示順とは異なります。ご鑑賞の際は、会場ならではの展示構成もお楽しみください。
