――今後の方向性について
省人化や高付加化価値化が商品開発の軸になると見ている。全ての業態で人手不足が大きなテーマとなっており、調理現場におけるオペレーションの簡素化、負荷軽減につながる商品の開発をより一層強化していく。中食に目を向けると、量販店の惣菜売り場は、店内加工からプロセスセンター(PC)での加工へとアウトパック化が進む見込みだ。アウトパックの商材として活用してもらうためには、ある程度の保存性と、大容量ロットでの納品などPCでの利用に適した荷姿にする必要があり、そうしたアウトパック化に対応した商品開発も進めていきたい。
好調に推移する「E調理」については、さらなる利便性の向上に取り組み、ユーザーのニーズを捉えた仕様へと変更を図るなど、積極的なリニューアルを随時行っていく方針だ。手作り感のある味わいの実現や、品位の向上にも合わせて取り組む。
高品質な商品を求めるインバウンドなどを対象に、外食向けには、前述の「至福のひとさら」など得意とする水産原料を用いた本物志向のフライ製品を強化していく。
生産面では、円安傾向を受け、春巻き、焼売、クリームコロッケなどの商品群で、国内製造を強化する方針だ。12月には、最新技術を導入した「スマートファクトリー」を掲げる北九州工場が竣工する。主力は家庭用だが、業務用の「おさかなソー」などの商品の製造も予定している。
懸念事項には、ナフサ問題が挙がる。9月にも一部商品で価格改定を予定しており、販売数量の落ち込みを防ぐために、付加価値を付ける取り組みを強化していく。コモディティ商品だけでは収益の確保は難しい。市場環境は大きく変化しているが、ユーザーの課題に寄り添いながら、ニッスイならではの価値を提供していきたい。
〈冷食日報2026年7月2日付〉

