結論、《聖プラクセディス》はフェルメールの作品か?
長年にわたり物議を醸してきた《聖プラクセディス》ですが、近年は「フェルメール作」とする流れに傾いてきたように感じます。
というのも2023年、アムステルダム国立美術館で大規模なフェルメール展が開催されました。《聖プラクセディス》も海を渡って本展でも展示され、そのときは作者を「フェルメール」として紹介しています。
ヨハネス・フェルメール《牛乳を注ぐ女》, Public domain, via Wikimedia Commons.
アムステルダム国立美術館は、前述のとおり《聖プラクセディス》の調査に当たった美術館です。《牛乳を注ぐ女》などフェルメールの代表作を所蔵する同館は、フェルメール専門家のなかの専門家。発言力・影響力のある美術館が「フェルメールの作品だ」としたことで、この見解が有力となってきたように思います。
ただし、本作をめぐってはさまざまな論争があり、完全に収束したわけではありません。フェルメール自身に謎が多いこともあり、解明は難しいのではないでしょうか。
上野の国立西洋美術館では、複数の説があることを踏まえ、「フェルメール(に帰属)」と画家名の断言を避けています。
《聖プラクセディス》実物を国立西洋美術館で見てみよう!
ヨハネス・フェルメール(に帰属)《聖プラクセディス》, Public domain, via Wikimedia Commons.
まだ議論の余地はありますが、フェルメール作の可能性が濃厚な《聖プラクセディス》。日本にある唯一のフェルメール作品と言えますし、ぜひ東京・上野の国立西洋美術館へ見に行ってみてはいかがでしょうか?
なお、本物・偽物という言い方は良くないと思いますが、ひとまずの伝わりやすさを優先して使わせていただきました。悪意ある贋作ではありませんし、誰が描いたにせよ、《聖プラクセディス》は「本物」の美術品です。
また、本作は国立美術館に展示されていますが、所蔵するのは一般企業の「株式会社くふうカンパニー」です。同社より寄託を受け、国立西洋美術館の常設展にて展示されています。
国立西洋美術館(663highland • CC BY-SA 4.0), Public domain, via Wikimedia Commons.
展覧会の入場料も値上がりが激しいこの頃ですが、常設展は一般500円、大学生250円と手頃な価格。高校生以下や65歳以上など各種条件に当てはまる方は無料です。
国立西洋美術館では《聖プラクセディス》だけでなく、モネやピカソなど西洋美術の巨匠の作品が多数見られます。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
主な参考サイト
聖プラクセディス|国立西洋美術館
SAINT PRAXEDIS BY JOHANNES VERMEER|Christie's
Christie’s will auction Vermeer’s Saint Praxedis. Attribution to Vermeer has been strengthened by research at the Rijksmuseum|CODART

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