前頭側頭型認知症の末期までの経過と寿命

初期から行動変化が目立ち、平均6〜9年かけて徐々に進行し、最終的に寝たきりや嚥下障害などを伴う末期状態へ至ることが多いとされています。
進行のスピード
一般にアルツハイマー型認知症などと比べて進行がやや早いといわれています。発症からの経過には個人差がありますが、多くは数年かけて段階的に悪化し、初期の性格・行動の変化から、徐々に自発性の低下や言語障害、日常生活動作の低下が目立ちます。
平均寿命
発症からおおよそ6〜9年とされますが、病型(行動障害型か意味性失語型かなど)や発症年齢、合併症の有無によって幅があります。行動障害型は進行が早く、平均6〜9年と報告されている一方で、意味性失語型は12年程度と長めの経過をとることもあります。また、実際の寿命は誤嚥性肺炎や感染症、栄養状態、心疾患や脳血管障害などの合併症、リハビリや介護・医療体制などの影響も大きく、年数=余命とは限りません。
前頭側頭型認知症の末期に必要なケア

誤嚥予防を意識した食事介助や体位変換、口腔ケア、褥瘡や感染症の予防など身体ケアに加え、ご本人の苦痛を和らげる緩和ケアと家族への精神的サポートが重要です。
身体的なケア
身体機能が大きく低下するため、合併症を防ぎつつ、できるだけ苦痛を少なく過ごせるようなケアが大切です。誤嚥を防ぐために、姿勢を整えながら少量ずつゆっくり食事を介助し、とろみ付けや刻み食など医師や栄養士の指示に沿った形態に調整します。
また、長時間同じ姿勢が続くと褥瘡(床ずれ)ができやすくなるため、こまめな体位変換と、クッションやエアマットなどを活用して圧を分散させます。口腔内を清潔に保つための口腔ケアや、関節の拘縮を予防するための関節可動域訓練、清拭やおむつ交換などによる皮膚トラブルの予防も重要です。
意思決定支援
ご本人が自分の希望を言葉で伝えにくくなるため、早い段階からの意思決定支援がとても大切です。できるうちに、延命治療をどこまで望むか、入院や施設入所、在宅療養の希望、苦痛緩和の優先度など、ご本人の価値観を丁寧に聞き取り、家族と医療・介護職が共有しておきます。

