前頭側頭型認知症の家族に求められる対応

ご家族には、本人の行動や言動を病気の症状と理解し、人格否定をしないで関わる姿勢が求められます。無理に行動を止めようとせず、こだわりを生かした生活リズムづくりや環境調整で、安全性を高めて過ごせる工夫をします。また、介護を一人で抱え込まず、主治医やケアマネジャー、訪問看護・ヘルパー、家族会などの支援を積極的に利用し、つらさや不安を言葉にしての相談も大切です。さらに、病気の進行や今後起こりうる変化をあらかじめ学んでおくことで、突然の変化に戸惑いすぎず、事前に準備や話し合いができます。
前頭側頭型認知症の末期症状についてよくある質問
ここまで進行の経過と家族の対応などを紹介しました。ここでは「前頭側頭型認知症の末期症状とは?」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
末期になると本人は周囲のことがわからなくなりますか?
伊藤 規絵医師
末期に近づくと、周囲への関心や反応が乏しくなり、わかっていないようにみえることが増えていきます。ただし、まったく何もわからなくなるとは限らず、表情やわずかな身ぶり、まばたき、手の握り返しなどで、音や気配を感じ取っている場合もあります。末期に多い合併症はどのようなものがありますか?
伊藤 規絵医師
嚥下機能や免疫力が低下するため、誤嚥性肺炎や尿路感染症、褥瘡(床ずれ)などの感染症が起こりやすいです。また、食事量の低下や栄養不良に伴う脱水やるい痩、筋力低下・関節拘縮による転倒・骨折なども問題です。

