大ヒット映画『スパイダーマン』シリーズの日本公式Xアカウントによる「ある警告」が、ネット上で議論を巻き起こしている。映画の公式アカウントが一般ユーザーに対し、パブリックな場で直接注意を行うのは異例。SNS上におけるファン活動の節度をめぐり、さまざまな意見が飛び交う事態となった。
公式アカウントからの「フランクな警告」
7月2日、『スパイダーマン』の日本公式Xアカウントが、あるファンアカウントの投稿に対し、以下のように直接リプライを送った。
「字幕は公式がつけるよ。やめようね。」
このファンアカウントは、マーベル映画の予告編などの映像に、独自に作成した「日本語字幕」を付けた動画を投稿していた。今回注意を受けた動画は、7月31日に公開となるシリーズ最新作『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』について出演者が語った30秒ほどの映像に、日本語字幕を付けたものだった。公式からの警告を受け、この投稿者は当該の動画をXから削除したものの、注意に対するその後の反応などがさらなる波紋を呼んでいる。
背景にある「海外エンタメ特有のタイムラグ」
ハリウッド映画の最新映像や予告編は、まずアメリカなどの海外公式で「英語音声・字幕なし」のまま公開されることが多い。日本の熱心なファンは「少しでも早く内容を知りたい」と願うが、国内公式アカウントが日本語字幕を付けた「公式映像」を公開するまでには、どうしても多少のタイムラグが発生してしまう。
さらに言えば、予告編以外の短い映像や、アメリカ以外の特定の地域向けに公開されている動画など、そもそも日本国内ではローカライズされない海外公式コンテンツも数多く存在する。
そこで一部のファンが、海外の公式動画を自分で翻訳し、日本語字幕を映像の上に合成してXなどのSNSに投稿する、という「有志の翻訳活動」を行うようになった。こうしたコンテンツはファンの注目を集める一方、著作権などの観点から物議を醸してもいたが、今回は公式側がこれを看過できないと判断し、みずから直接の警告に踏み切った形だ。
