●では今の「相場」は正しいのか
ただし、過去の量刑の傾向はそれまでの事例の積み重ねではあっても、絶対の正解ではありません。
似た事件には似た刑をという公平さと、時代に合わせて変わるべきだという要請は、緊張関係にありますが、この感覚を量刑に反映させるために導入されたのが、裁判員制度です。
「これまでの量刑相場どおりでないからおかしい」とは限りません。相場そのものが、市民の声で少しずつ動く余地があるからです。
ただし、裁判員裁判は、感覚だけで被告人を重く罰する場ではなく、過去の蓄積を参考にしつつ、本当にこの量刑が適切なのか、と考えていく場です。
重すぎる、軽すぎるという声が積み重なれば、量刑も変わっていくのかもしれません。
小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

