●母親が危険性をうったえても「面会交流」が認められた
家庭裁判所が調整する面会交流ですら、性的虐待は起きうる。
ある父親は同居中、ショッピングモールで突然、子どものスカートと下着を下ろしたことがあった。子どもが悲鳴を上げても、「冗談だよ」と笑って済ませたという。
普段から性的なからかいが目立ち、母親は離婚時の家庭裁判所の調停でも、こうした父親の「性的逸脱」をうったえていた。
しかし、父親が否定し、裁判所は面会交流を認めた。
「結果として、その後に性的虐待が起きてしまいました」
母親はさらに、家庭裁判所からは「面会交流の後、子どもがプレッシャーを感じないよう、何があったか根掘り葉掘り聞いてはいけない」「明るく『おかえり』と温かく迎えてあげて」と助言を受けていたという。
面会中の子どもから「帰りたい」と電話があっても、母親は「大丈夫だよ。楽しんできてね」となだめるしかなかった。
●学校で初めて性的虐待の被害を打ち明けた
転機は学校だった。子どもが教師に「面会が嫌だ」と打ち明け、その際、入浴中などにわいせつな行為を受けていたことを初めて話した。
学校が児童相談所へ通告し、児相は「直ちに面会を中止してください」と告げた。
ただし、母親が独断で面会を中止すれば、状況によっては父親から損害賠償を請求されたり、間接強制金の対象になりかねない。
そのため、母親はすぐに家庭裁判所に調停を申し立てた。そこで明らかになった性的虐待は常軌を逸したものだったという。
「お母さんからすれば、『私は言いましたよね?』という思いだったでしょう」

