●「覚醒剤と知っていた」と推認されやすい
少し専門的になりますが、裁判上の経験則として「回収措置原則」と呼ばれる考え方があります(最高裁平成25年10月21日決定)。
覚醒剤の量や隠し方などから密輸組織が関与していると認められる場合、運搬者(運び屋)は、特段の事情がない限り、密輸組織から回収方法などの指示を受け、荷物の運搬を依頼されていたと認定するのが相当だとする経験則です。
つまり、大量の薬物を運んできたようなケースでは、「密輸組織から指示を受けていたはずだ」と考えられやすく、そのことが「覚醒剤だと認識していた」という判断につながります。
もちろん、これは間接事実の1つにすぎないので、これだけで直ちに有罪になるわけではありません。しかし、ほかの間接事実とあわせて判断されることで、「覚醒剤だと知っていた」と認定される可能性があります。
●防犯カメラがあっても安心できない
一方で、「見知らぬ外国人から頼まれただけで、中身は知らなかった」と弁解しても、自分が逮捕された時点では、その外国人はすでに逃げている可能性が高いでしょう。
その人物が実在したことや、荷物を預かった経緯を証明するのは簡単ではありません。
仮に防犯カメラの映像などで、その人物から荷物を受け取ったことが確認できたとしても、「その氏名不詳の人物と共謀していたのではないか」と疑われる可能性があります。

