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重症化した場合の死亡率は50%も…犬の『熱中症』のサインとは?特に『リスクが高い犬種』や正しい応急処置【獣医師執筆】

重症化した場合の死亡率は50%も…犬の『熱中症』のサインとは?特に『リスクが高い犬種』や正しい応急処置【獣医師執筆】

犬の熱中症、実際はどのくらい起きている?

犬の熱中症トップ画像

当院では5月ごろから熱中症の来院が増え始め、7月〜9月は週に数件のペースで診ています。残念ながら夏場には死亡例もあります。

一方、近年は屋内飼育が一般的になり、空調設備も整ってきたことから、いわゆる「高温多湿での体温調節失敗」による熱中症自体はそこまで増加傾向にはないように感じます。メディアでの熱中症啓発も広まり、飼い主さんの意識が高まっていることも一因かもしれません。

一方、夜間救急では、一般的な熱中症だけでなく、元々の持病に起因した熱中症で受診されるケースが多い印象です。心疾患や呼吸器疾患を抱えている子、てんかん発作などの神経的な疾患を抱えている子は、ハァハァと苦しい呼吸が続いたり、てんかん発作が続いたりすることにより体温調節がうまくできなくなり、熱中症になってしまうことがあります。

持病持ちの子の場合は、季節や室温を問わず熱中症になるリスクがありますので、特別な注意が必要です。

体温と熱中症 重症化した場合の死亡率は50%にも

犬の平熱は38℃台が一般的です。

熱中症になると体温が急上昇し、41℃を超えると体内の細胞に異常が起き、43℃を超えると細胞死が急速に進みます。

重症化すると全身性炎症反応症候群・DIC(播種性血管内凝固)・多臓器不全を引き起こし、重症例の死亡率は最大50%にも達します。

よくある「熱中症シチュエーション」と受診の目安

真夏のドッグランは要注意

仕事から帰宅したら倒れていた(留守番中に発症) 出かける前にエアコンをつけるのを忘れてしまった エアコンの風が届かない部屋にいた 庭で放し飼いにしていた 散歩・屋外活動後に具合が悪くなった てんかんの重積発作(意識のない発作が次々と重なる、または5分以上続く状態)が続いた

特に、留守番中に発症するケースや、てんかん発作が熱中症を引き起こすケースが多くなっています。屋外活動時以外にも熱中症リスクがあることに注意が必要です。

「呼吸が荒く、ぐったりしている」という状態で発見され、来院されることが多いです。

「すぐ病院へ!」と判断すべき熱中症のサイン

以下のサインが見られたら、迷わず動物病院に連絡・受診してください。

呼吸回数が多く、おさまらない ガーガーと苦しそうな呼吸をしている よだれが止まらない 耳や口がコンビニの肉まんぐらい熱い 意識が朦朧としている 横になって立ち上がれない

特にリスクが高い犬種・状態

フレンチ・ブルドッグ、パグ、シーズー、ペキニーズなどの短頭種は、生まれつき気道が狭いため体温調節が難しく、特に注意が必要です。日ごろからガーガーと音を立てて呼吸をする子、いびきをかく子は要注意です。
気道まわりに脂肪がつくと呼吸がしづらくなるため、肥満も熱中症のリスクを高めます。

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