前頭側頭型認知症の非薬物療法と日常生活の工夫

薬だけでなく、生活リズムを整える、環境をシンプルにする、役割や楽しみの活動を用意するなどの非薬物療法が重要です。家族や専門職と協力しながら、本人の特性に合った関わり方を工夫します。
生活リズムの整え方
毎日の生活リズムをできるだけ同じパターンに整えることが大切です。朝は決まった時間に起きてカーテンを開け、日光を浴びながら朝食や着替えを行うことで、体内時計が整いやすいです。日中は散歩や家事など、無理のない範囲で役割や活動の時間をつくり、長時間の昼寝は避けます。夕方以降は入浴・夕食・就寝の順番や時間帯をほぼ一定に保つことで、夜間の落ち着きやすさにつながります。
環境調整
環境そのものを治療の一部と考えて整えることが大切です。まず、物や予定をシンプルにし、目に入る情報量を減らすことで、混乱やイライラを和らげます。貴重品や危険物は手の届かない場所に片づけ、同じ場所・同じ順番で生活できるように配置を固定しておくと安心感につながります。
コミュニケーションの工夫
言葉遣いと態度の両方の工夫が大切です。まず、「またそんなことをして」などの否定的な言葉を避け、短く具体的な言葉で、ゆっくりとはっきり伝えるようにします。また、本人のこだわりや言動の背景にある気持ちを想像し、「不安だったんですね」などと気持ちに共感する声かけを心がけると、安心感が高まります。
前頭側頭型認知症の治療を受けられる医療機関

もの忘れ外来や認知症外来のほか、各都道府県に設置されている認知症疾患医療センターでは、専門的な評価と治療・支援につなげる体制が整えられています。
認知症疾患医療センター
認知症の専門医療機関として都道府県や政令指定都市が指定する病院内に設置され、認知症の鑑別診断、専門医療相談、合併症や周辺症状(行動・心理症状)への対応などを行う拠点です。
脳神経内科や精神科
診断と治療は、主に脳神経内科や精神科で行われます。脳神経内科では、脳や神経の専門として、画像検査や神経心理検査などを通じて原因疾患を見極め、てんかん発作や歩行障害などほかの神経症状も含めて総合的に評価します。一方、精神科では、抑うつや不安、興奮、攻撃性などの行動・心理症状への対応に力を入れており、必要に応じて抗うつ薬や抗精神病薬などを用いながら、生活全体の支援を行います。

