ジムのミスでクレカ信用情報に「傷」 泣き寝入り寸前の私が、巨大組織動かすために使った“武器”

ジムのミスでクレカ信用情報に「傷」 泣き寝入り寸前の私が、巨大組織動かすために使った“武器”

法的な「筋」を一つ添える

 私は法律の専門家ではありません。ですが、主張に一つでも法的な裏づけがあると、書面の重みは変わります。通知は相手に到達して初めて効力を生じるという、民法の「到達主義」(97条)。そして、契約相手は、委託先である収納代行会社のミスだからといって責任を免れることはできない、という考え方です。

 こうした筋道を、AIは分かりやすく整理してくれました。難しい条文を振り回す必要はありません。「筋が通っている」と相手に伝わればよいのです。もっとも、訴訟を考えるなら最終的には弁護士に相談すべきです。AIは考えを整理する相棒であって、法律家の代わりではありません。

結果、そして残る問い

 設定した回答期限までに、両社からの回答はそろいました。スポーツクラブは、担当者が氏名を一字打ち間違えたことが登録不備の原因だったと認めました。

 信販会社は、未完了を知らせる通知が普通郵便のため到達を確認できなかったことを認め、その上で本件は実質的な延滞はなかったものとして扱い、信用情報を修正したと回答しています。

 つまり、「原因は誰にあるのか、通知は本当に届いたと言えるのか、そして延滞は存在したのか」という私が問うたすべての点に、両社は事実を認める回答を寄せたのです。ごまかしも、責任のなすり合いもなく、満額の回答だったと言ってよいでしょう。

 信用情報の傷も消えました。私が費やしたのは、およそ5時間と、郵便代など2000円あまりです。金額の多寡ではありません。落ち度なき者が、なぜここまで動かねばならないのか、その問いは、前回の記事で書いたとおり、今も残っています。

 ですが、泣き寝入りする必要はありません。感情を事実に変え、書面で筋を通すという、その作業を、AIは的確に支えてくれました。使い方さえ間違えなければ、個人が巨大な組織と渡り合うための、心強い味方になります。

 ここで強調しておきたいことがあります。AIは、丸投げすれば答えを出してくれる魔法の箱ではありません。今回の書面も、AIがゼロから作ったわけではありません。まず私の中に、「どう筋を通すか」というストーリーとシナリオがありました。

 何を主張し、どの順で攻め、どこに落とすかというその骨格は、当事者にしか描けません。文章も、少なくとも6割は自分の言葉で書きました。AIが作業したのは残りの4割です。粗い草稿の論理の穴を指摘し、感情的な表現を事実に置き換え、法的な筋道を整えるという一連の作業を、AIは見事に果たしてくれたのです。

 つまり、6割の主体性があって初めて、残る4割が生きます。自分のストーリーを持たないまま「いい感じにして」と丸投げすれば、返ってくるのは当たり障りのない一般論だけです。AIを味方につけられるかどうかは、使う側が自分の芯を持っているかどうかにかかっています。

 AIは万能ではありません。しかし、感情を事実へと翻訳し、論理を磨く力は確かにあります。最後に判断し、行動するのは人間です。その主導権を手放さない限り、AIは個人にとって最良の相棒になりうるのです。

配信元: オトナンサー

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