「歯周病」がなぜ”動脈硬化を引き起こす”のかご存じですか?歯科医師が改善法も解説!

「歯周病」がなぜ”動脈硬化を引き起こす”のかご存じですか?歯科医師が改善法も解説!

歯周病が動脈硬化を引き起こすって本当?メディカルドック監修医が、歯周病菌が血管に与える影響と心臓疾患リスクを解説します。

豊栖 久美子

監修歯科医師:
豊栖 久美子(歯科医師)

国立大学歯学部卒。一般開業医にて勤務後、医療法人の歯科部門として開業する。一般診療に加え訪問診療に携わる。出産後は歯科医師国家試験の予備校に勤務。生徒の指導に加え、記事の執筆・監修、国試の解説動画の作成を行う。現在は歯科医院のHPの記事・コラム作成などWebライターとして活躍中。

動脈硬化とは?

動脈硬化とは、血液を全身に運ぶ動脈の壁が厚くなったり硬くなったりして、血液の流れが悪くなる状態を指します。年齢とともに進行しやすくなりますが、高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満、運動不足などの生活習慣も大きく関係しています。

動脈硬化が進むとどんな症状が出る?

動脈硬化の怖いところは、初期にはほとんど自覚症状がないことです。しかし、気づかないうちに血管の内側にコレステロールなどが蓄積し、血管が狭くなったり詰まったりすると、脳梗塞や心筋梗塞といった重大な病気を引き起こす可能性があります。

動脈硬化を放置するリスクとは?

動脈硬化は、初期にはほとんど症状がないため、「特に困っていないから大丈夫」と思われがちです。しかし、放置すると血管の狭窄や詰まりが進行し、命に関わる病気を引き起こす可能性があります。代表的なリスクとして、脳の血管が詰まることで起こる脳梗塞、心臓の血管が詰まることで起こる心筋梗塞があります。これらは突然発症し、後遺症が残ったり、命を落としたりすることも少なくありません。また、足の血管に動脈硬化が起こると、歩くと足が痛くなる閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患)を発症することがあります。重症化すると傷が治りにくくなり、最悪の場合は足の切断が必要になることもあります。さらに、腎臓の血流が悪くなることで腎機能が低下し、慢性腎臓病の原因となることもあります。

歯周病は動脈硬化を引き起こす要因になる?

歯周病菌が血管に与える影響とは?

歯周病は単なるお口の病気ではありません。近年の研究では、歯周病菌が全身の健康、特に血管に悪影響を及ぼすことが分かってきています。歯周病になると、歯ぐきに炎症が起こり出血しやすくなります。この状態では、歯周病菌やその毒素が血液中に入り込みやすくなります。血管内に侵入した歯周病菌は、血管の内側に炎症を引き起こし、動脈硬化の進行を促進すると考えられています。動脈硬化が進行すると、血管が硬くなったり狭くなったりし、血液の流れが悪くなります。その結果、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気のリスクが高まります。実際に、重度の歯周病がある方は、歯周病のない方と比べて心血管疾患のリスクが高いことが報告されています。また、歯周病治療によって全身の炎症反応が改善し、血管機能の改善につながる可能性も示されています。

歯周病と動脈硬化など心臓疾患の関係とは?

歯周病が進行すると、歯周病菌やその毒素が歯ぐきの血管から血液中へ入り込みます。すると全身で慢性的な炎症が起こり、血管の内側を傷つけることで動脈硬化を進行させると考えられています。動脈硬化が進むと、血管が狭くなったり詰まったりしやすくなり、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの重大な病気のリスクが高まります。近年では、歯周病のある方は心血管疾患の発症リスクが高いことが数多くの研究で報告されています。また、歯周病が影響を及ぼすのは心臓や血管だけではありません。糖尿病とは相互に悪影響を及ぼす関係にあり、歯周病による炎症は血糖値を上昇させやすくし、糖尿病を悪化させます。高齢者では口腔内の細菌が唾液や食べ物とともに気管へ入り込み誤嚥性肺炎を引き起こすことがあるため、適切な口腔ケアが重要です。妊娠中の歯周病は早産や低出生体重児出産のリスクを高める可能性があるともされています。さらに、歯周病による慢性的な炎症は腎臓にも負担をかける可能性があり、慢性腎臓病の進行との関連が指摘されています。近年では認知症の発症リスクとの関係も研究されています。

配信元: Medical DOC

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