「甲状腺の病気と言われたけれど、治療にどれくらいお金がかかるの?」「仕事をしながら通院を続けられるか不安……」といった不安を感じている方は少なくないのではないでしょうか。
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで動悸・発汗・体重減少などの症状が起こる病気です。多くの場合、長期にわたる通院と服薬が必要になるため、月々どれくらいの費用がかかるのかを早めに知っておくことは、治療を続けていくうえでも、家計管理のうえでもとても重要です。
この記事では、バセドウ病の診断後から外来通院による治療費の目安、費用を抑えるための公的制度、治療法別の費用比較について解説します。

監修医師:
濵﨑 秀崇(医師)
東京大学理学部卒、広島大学医学部卒。国立国際医療研究センター病院・国府台病院を経て、神奈川県内のクリニックに勤務。糖尿病を専門に、内科疾患および内分泌疾患を幅広く診療している。
1. 診断直後〜通院初期の費用目安
バセドウ病は、まず内科・内分泌科・甲状腺専門クリニックを受診し、血液検査で甲状腺ホルモン値を確認することで診断されます。初診時には、診察料・血液検査・画像検査・抗体検査など様々な検査が行われることが多く、健康保険の3割負担でおよそ5,000〜7,000円程度になるケースが多いです。
なお、3割負担とは、医療費の総額のうち患者が3割を支払い、残りの7割を健康保険が負担してくれる仕組みです。たとえば診察・検査の総額が15,000円であれば、窓口での自己負担は4,500円になります。
診断後は抗甲状腺薬の服用が始まります。薬の種類や用量によって費用は異なりますが、以下が外来通院時の目安です。
■ 初診・診察料(目安):約5,000〜7,000円
・薬代(目安):約1,500〜3,000円
・合計(目安):約6,500〜10,000円
■ 再診(月1回通院)
・診察料(目安):約700〜1,500円
・薬代(目安):約1,000〜2,500円
・合計(目安):約1,700〜4,000円
■ 再診(月2回通院)
・診察料(目安):約1,400〜3,000円
・薬代(目安):約2,000〜5,000円
・合計(目安):約3,400〜8,000円
※上記はあくまで目安です。受診する医療機関や検査内容・投薬内容により異なります。
※上記はいずれも健康保険3割負担の目安です。医療機関の種別や地域によって異なります。
※初診の診察料には、甲状腺ホルモンの血液検査や甲状腺超音波検査などの検査費用を含みます。
2. 再診の場合の通院費用と薬代の内訳
甲状腺ホルモン値が安定してくると、通院頻度は月1〜2回程度に落ち着いてくることが多いです。このような時期は、薬の量を少しずつ調整しながら維持療法を続けていきます。
治療薬としてよく使われるのは、チアマゾール(MMI)とプロピルチオウラシル(PTU)の2種類です。
■ チアマゾール(MMI)・1日あたりの費用目安:約30〜80円
・特徴:第一選択薬。効果が出るまで数週間かかることが多い
■ プロピルチオウラシル(PTU)
・1日あたりの費用目安:約50〜100円
・特徴:妊娠初期などMMIが使いにくい場合に選択されることが多い
※上記はあくまで目安です。受診する医療機関や検査内容・投薬内容により異なります。
※上記は薬剤費(薬そのものの値段)の目安です。
薬代は処方量によって大きく変わります。初期は高用量が必要なことが多く、徐々に少量になります。月の薬代が1,000〜2,500円程度に落ち着くケースが多いです。
また、定期的な血液検査(甲状腺ホルモン値・肝機能・白血球数の確認など)が必要なため、検査費用として月に500〜2,000円程度が加わる場合があります。

