「風、薫る」第78回(7月15日放送)【振り返り】
第78回は、りんが新潟・上越で新たな人生を歩み始める一方、東京では直美が一ノ瀬家を支え続け、それぞれが新しい役割と向き合う姿が描かれた。新天地で地域の価値観や文化の違いに直面するりん、家族を守る責任を背負う直美、そして小川との関係の進展など、環境の変化を通して登場人物たちが少しずつ前へ進む様子が印象的だった。終盤では半年後へと時間が進み、上越で成長したりんが、新たな対立と出会いを迎える展開となった。
【以下、ネタバレ】
新潟・上越に着いたりんは、羽田の妻・テツ(横澤夏子)から「東京らんだかね…どおりで。すてーきなおぐしですてー」と洋髪の皮肉を言われ、さらに政治運動のビラを渡されるなど、東京とは異なる土地柄に戸惑う。
赴任先の高越女学校では、校長・望月勘治(関智一)が出迎えた。女学生の長見久(近藤華)や岩瀬常(河村ここあ)らは洋髪に憧れながらも、家族と離れて暮らすりんを「かうぇーそ(かわいそう)」と口にする。りんは家族への手紙に、その言葉は書かず、「早速、生徒たちと話をし、親しくなりました」と前向きにつづった。
一ノ瀬家では、りんから届いた手紙を囲み、シマケンが環に、りんがいるからみんなが元気になれると語る。すると環も、シマケンがいるから元気になると無邪気に返し、シマケンを喜ばせる。
直美は、病院で軍人の小川吾郎(甲斐翔真)に、りんとの最悪だった初対面の思い出を楽しげに話した。小川から「りんさんのことが好きなんですね」と言われると、直美は照れ隠しに言い合いもすると返しつつ、環の愛らしさを語る。「いざりんがいなくなってみると、逆にりんがいるというか…お母さん、がんばらないとって」。結婚も家族も縁がなかった自分を、元家老の武家でありながら当たり前に受け入れてくれた一ノ瀬家への感謝を語った。 一方、聞き上手な小川は表情を曇らせる。「さっきから胸がチクチクッと」と漏らした小川は、意を決して「2人目のお母さんだって、結婚は、出来ますよね?」と踏み込む。直美は「えっ?」と気後れするが、小川も、自分も佐賀の農家の三男で口減らしのように連隊に入った身だと素性を必死にまくし立てた。小川の直球に圧倒された直美は、「へぇ…そうですか…では、私は仕事に」と慌てて立ち上がるが、小川は「また来ますっ」と手を緩めなかった。直美は「やめてください」と言いながらも、「ここは職場なので。前に教えた団子屋なら」と返し、逃げ道を残した。小川は「はい!」と喜びを爆発させた。
半年後。上越での暮らしに慣れたころ、りんは飴屋の行列で、羽田が老婆の前に割り込む姿を目にする。「こちらのお婆さま、並んでますよ」と毅然と注意するりん。その場へ横沢が現れ、「異議あり! 問題あり!」と声を上げた。
朝ドラ「風、薫る」とは?
大関和と鈴木雅という実在した2人のトレインドナース(正規に訓練された看護師)をモチーフにした朝ドラ。激動の明治時代、まったく違う境遇に生まれ、それぞれ生きづらさを感じていた2人の女性が、未開の看護の道を切り開いていく姿を描く。「あなたのことはそれほど」「病室で念仏を唱えないでください」「くるり~誰が私と恋をした?~」などの連ドラで知られる吉澤智子さんが脚本を書き、Mrs. GREEN APPLEが主題歌「風と町」を歌う。

