「患者さんとともに治療を選ぶ」時代へ
今回の会見を通じて繰り返し語られたのは、患者さんが治療を「自分のこととして選べる」ようにするという視点でした。菊地先生は、複数の選択肢があるとき、医療者が一方的に決めるのではなく、副作用や有効性、通院の負担などを丁寧に示したうえで患者さんとともに決めていく「シェアード・ディシジョン・メイキング(SDM)」が主流になっていると述べました。たとえば遠方で何度も通院できない人にとって、3カ月に1回という選択肢は大きな意味を持ちます。
会見に同席した膀胱がん患者会の野村由利夫氏や佐野潤一郎氏からは、難しい治療内容を患者さんにもわかりやすく伝える工夫や、患者さん同士・専門家との情報交換の場の必要性が語られました。BCG治療の苦しさを自ら経験した野村氏の言葉は、選択肢が増えること自体の重みを改めて示すものでした。
膀胱がんに不安を抱える場合や、現在の治療に悩みがある場合は、どのような選択肢があるのかを、まず主治医に相談してみることが次の一歩につながります。患者さんの「膀胱を残したい」という願いに、医療がどこまで応えていけるのか――今後の積み重ねが注目されます。
*本稿には特定の治療法についての記述がありますが、情報提供のみを目的としたものであり、医療上の助言や受療促進などを目的とするものではありません。
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