大動脈解離で痛みが生じやすい部位と痛みの特徴

大動脈解離の痛みは、解離が起きた部位によって感じ方が異なります。代表的な部位ごとに痛みの特徴を確認しておきましょう。
胸部
胸の中央付近に突然現れる強い痛みは、大動脈解離でよくみられる症状の一つです。特に心臓に近い上行大動脈で異常が起こった場合に感じやすく、鋭く突き刺すような痛みや強い圧迫感として表現されることもあります。
発症は急で、これまでに経験したことのない痛みとして自覚されることが多い点が特徴です。
背中
背中、特に肩甲骨のあたりに広がる痛みは、下行大動脈の解離でみられることがあります。持続的で強い痛みとして感じられ、姿勢を変えても軽くならないことが多いのが特徴です。
胸の痛みと同時に現れる場合もあれば、最初から背部の違和感として始まることもあり、腰痛や筋肉の痛みと区別がつきにくいこともあります。
腹部
解離が腹部の大動脈まで及ぶと、みぞおちや下腹部にかけて痛みを感じることがあります。消化器の不調と似た形で現れることもあり、吐き気や食欲低下を伴うこともあります。
通常の腹痛と異なり、急に強い痛みとして出現する点や、ほかの部位の痛みと関連している点が特徴です。
肩や腰
痛みが肩や腰へと広がることもあり、これは解離の進展に伴って刺激される神経の範囲が変わるためと考えられています。最初は胸にあった痛みが背中、さらに腰へと移るように感じられることもあります。
このように痛みの場所が移動する、あるいは広がっていくように感じる場合は、大動脈解離を疑う手がかりの一つです。
大動脈解離で痛みとともに現れることがある症状

大動脈解離は、痛み以外にもさまざまな症状が同時に現れることがあります。これらは血流の障害が全身に波及していることを示すサインであり、見逃さないことが大切です。
めまいや失神
発症時にめまいや意識が遠のくような感覚を伴うことがあります。場合によっては一時的に意識を失うこともあり、急激な血圧の変化や脳への血流低下が関係していると考えられています。
こうした症状は突然出現することが多く、転倒などのリスクもあるため注意が必要です。
手足のしびれや麻痺
大動脈から分かれる血管の血流が障害されると、手足にしびれや動かしにくさが生じることがあります。片側の手足だけに症状が出る場合もあり、脳梗塞のようにみえることもあります。
また、四肢への血流が低下することで、冷感や力の入りにくさとして自覚されることもあります。
呼吸困難
息苦しさを感じることもあり、呼吸が浅くなる、十分に吸えないといった症状がみられる場合があります。これは、心臓や肺への影響、あるいは強い痛みによる呼吸の制限が関係していると考えられます。
急激に呼吸状態が悪化する場合は、重篤な状態の可能性もあるため、早急な対応が必要です。

