大動脈解離が疑われる場合の対処法

大動脈解離が疑われる場合、対応のスピードが予後を大きく左右します。どのような状況で受診が必要か、医療機関ではどのような検査・治療が行われるかを事前に把握しておきましょう。
すぐに受診が必要なケース
突然の強い胸や背中の痛みが出現した場合は、緊急疾患を想定した対応が必要です。特に、これまでに経験したことのない強い痛みや、短時間で症状が変化する場合は重要なサインです。
また、痛みに加えて、意識が遠のく、呼吸が苦しい、手足が動かしにくいといった症状がある場合には、全身への影響が出ている可能性があります。
こうした症状がみられる場合には、自力での移動を避け、救急要請を含めた迅速な対応を検討するようにしましょう。
医療機関で行われる検査と治療
医療機関では、まず全身状態の評価とともに、大動脈の異常の有無を確認する検査が行われます。代表的なのは造影CTで、大動脈の形や血流の状態を詳しく把握することができます。
そのほか、心エコーやMRIなどが用いられることもあり、状況に応じて検査が選択されます。また、血圧や心拍数を安定させるための治療も同時に行われます。
治療方針は解離の部位や状態によって異なり、外科的治療と内科的治療が選択されます。いずれの場合も、迅速な診断と適切な対応が予後を左右します。
大動脈解離の痛みについてよくある質問
ここまで大動脈解離の痛みを紹介しました。ここでは「大動脈解離の痛み」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
大動脈解離と急性大動脈解離の違いを教えてください
林 良典 医師
大動脈解離は、発症からの時間に関係なく、大動脈の壁が裂けて血流の異常が生じている状態を指す総称です。一方で急性大動脈解離は、そのなかでも発症から間もない時期の状態を指します。一般的には、発症から2週間以内を急性期とし、それ以降は慢性期と分類されます。急性期は状態が不安定で重篤化しやすいため、特に迅速な診断と治療が求められます。
大動脈解離は治療によって完治する病気ですか?
林 良典 医師
治療によって急性期の危険な状態を乗り越えることは可能ですが、大動脈が完全にもとの状態に戻るわけではありません。そのため、完全に治るというよりは、病気と付き合いながら安定した状態を保っていく疾患と考えられています。治療後も大動脈の一部に解離が残ることがあり、時間の経過とともに血管の拡大や新たな変化が生じる可能性があります。そのため、血圧管理や定期的な画像検査などのフォローが重要です。

