「尿の出が悪い」「夜中に何度もトイレに起きる」といった症状に悩んでいる方は少なくないのではないでしょうか。前立腺肥大症は50代以降の男性に多く見られる病気で、長期にわたることが多いため、月々どれくらいの費用がかかるのかを早めに知っておくことは、治療を続けていくうえでも、家計管理のうえでもとても重要です。この記事では、薬物療法の種類・月額費用の目安・費用を抑えるための公的制度について解説します。

監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)
長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科
前立腺肥大症とはどんな病気か
前立腺は、膀胱の下にある男性特有の臓器で、加齢とともに男性ホルモンの影響を受けて大きくなっていきます。前立腺が肥大すると尿道を圧迫し、「尿の出が悪い(排尿困難)」「尿が細い」「残尿感がある」「夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)」といった排尿障害の症状が現れます。
50代では約30〜40%、70代では70%以上の男性に何らかの症状が見られるとされており、日本では非常に患者数が多い疾患です。症状の重さによって「経過観察」「薬物療法」「手術療法」の3段階で治療方針が決まりますが、症状が比較的軽い場合には内服薬による治療から始めることが一般的です。放置すると膀胱や腎臓への悪影響が出ることもあるため、気になる症状があれば早めに泌尿器科を受診することが大切です。
初診・検査にかかる費用の目安
泌尿器科を初めて受診する際には、問診・尿検査・採血(PSA検査を含む)・超音波検査などを行います。PSA検査とは、血液中の前立腺特異抗原の値を測り、前立腺がんとの区別をつけるための検査です。3割負担の場合、初診時の費用は約5,000〜12,000円が目安です。
■ 初診料・問診・費用の目安(3割負担):約1,000円
■ 尿検査・尿流量測定
・費用の目安(3割負担):約2,000円
■ 採血(PSA検査含む)
・費用の目安(3割負担):約3,000円
■ 超音波検査
・費用の目安(3割負担):約1,500円
■ 合計目安
・費用の目安(3割負担):約5,000〜12,000円
※上記はあくまで目安です。受診する医療機関や検査内容・投薬内容により異なります。
2回目以降の定期受診では、再診料と処方薬の費用が主なコストになります。安定期には1〜2か月に1回の受診が一般的で、再診料(3割負担)は約400〜700円、処方箋料が約200円程度です。薬代と合わせた月々の費用は後のセクションで詳しく解説します。

