【頻尿・尿の悩み】前立腺肥大症の治療費はいくら?リアルな薬代と家計を守る鉄則

【頻尿・尿の悩み】前立腺肥大症の治療費はいくら?リアルな薬代と家計を守る鉄則

知っておきたい公的制度

長期にわたる治療をサポートする公的な制度が複数あります。それぞれの仕組みと申請窓口を押さえておきましょう。

■ 高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)

1か月(月初〜月末)の医療費の自己負担が、一定の上限額(自己負担限度額)を超えた場合、超えた分を後から払い戻してもらえる制度です。例えるなら、医療費の「上限キャップ」のような仕組みです。70歳未満で標準報酬月額が28〜50万円の方の場合、自己負担の上限は「80,100円+(総医療費−267,000円)×1%」となります。前立腺肥大症の外来薬物療法ではこの限度額に達することは少ないですが、手術に移行した際や複数の疾患を同時に治療している場合には大きな助けになります。申請窓口は、加入している健康保険の窓口(協会けんぽ・健康保険組合・国民健康保険の場合は市区町村)です。

なお、あらかじめ「限度額適用認定証」を医療機関の窓口に提示すれば、はじめから自己負担限度額までの支払いで済み、いったん高額を立て替える必要がなくなります。マイナ保険証を利用する場合は、事前申請も認定証の提示も不要で自動的に同じ取り扱いとなり、高額療養費の事後申請自体も不要です。

また、高額療養費の自己負担限度額は2026年8月から段階的に引き上げられることが決まっています。標準報酬月額28〜50万円の区分では、上限額の計算の基礎となる定額部分が80,100円から85,800円に引き上げられるほか、新たに年間(8月〜翌年7月)の上限額(この区分で約53万円)も設けられます。さらに2027年8月にも追加の見直しが予定されているため、長期の通院や入院・手術が見込まれる場合は、受診時点での最新の上限額を保険者の窓口で確認しておくと安心です。

■ 医療費控除(いりょうひこうじょ)

1年間(1月〜12月)に支払った医療費が合計10万円を超えた場合、確定申告を行うことで所得税の一部が戻ってくる制度です。病院の窓口で支払った診察料だけでなく、薬局で支払った処方薬の代金も対象に含まれます。たとえば、年間15万円の医療費を支払っていた場合、10万円を超えた5万円分が控除の対象となり、税率に応じた金額が還付されます。申請は毎年2〜3月の確定申告期間中に、お近くの税務署または国税庁のオンライン(e-Tax)から行えます。

■ 後期高齢者医療制度(こうきこうれいしゃいりょうせいど)

75歳以上(一定の障害がある方は65歳以上)になると、後期高齢者医療制度(後期高齢者医療広域連合が運営)の対象となり、医療費の自己負担割合が原則1割になります(所得によっては2割・3割の場合もあります)。前立腺肥大症は高齢男性に非常に多い疾患です。1割負担の場合、薬代と診察料を合わせた月々の負担は1,000〜2,000円程度まで下がることが多く、経済的な安心感が大きく増します。申請窓口はお住まいの市区町村の窓口です。

編集部まとめ

前立腺肥大症の薬物療法にかかる費用は、薬の種類や自己負担割合によって異なりますが、3割負担の場合、薬代と再診料を合わせて月々3,000〜6,000円程度が目安です。ジェネリック医薬品の活用や公的制度を組み合わせることで、負担をさらに減らすことができます。

初診時の診察・検査費用は3割負担で約5,000〜12,000円が目安(内容による)

薬物療法の薬剤費は、薬の種類や併用する薬の数により月300〜3,000円程度(3割負担の薬剤費)

ジェネリック医薬品への変更で薬代を大幅に抑えられる場合がある

高額療養費制度・医療費控除・後期高齢者医療制度を活用すると自己負担が軽減できる

費用面の不安は、医療ソーシャルワーカーへの相談で解決できることが多い

前立腺肥大症と診断されたら、主治医に薬の種類や費用の見通しについて遠慮なく確認することが大切です。「ジェネリックに変えられますか?」「使える制度はありますか?」と聞いて問題ありません。費用の見通しが立つだけでも、長期の治療は続けやすくなります。排尿の症状は放置すると悪化することもあるため、定期的な受診を続けることが何より大切です。

※本記事の情報は2026年6月時点のものです。医療費・薬価・制度の内容は変更されることがあります。詳細はかかりつけの医師・薬剤師、または各窓口にご確認ください。

配信元: Medical DOC

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