夏土用は「夏の終わり」から「酷暑の始まり」へ ~適切な放熱で乗り切る東洋医学の知恵~

夏土用は「夏の終わり」から「酷暑の始まり」へ ~適切な放熱で乗り切る東洋医学の知恵~

■アイスクリームとかき氷

外気温が真夏日(30℃)を超えたころから、ヒトは「暑さ」を強く意識するようになります。熱中症の警戒ラインも真夏日が境です。体温を上回る猛暑日(35℃超)が続くと、次第に自力での放熱が追い付かなくなります。

気温が高くなると、ヒトは体熱を下げようとして大量の汗が出ます。そのため、冷房の使用や冷たい飲食を欲するようになります。アイスクリームやかき氷の購買率へ目を向けると、最高気温の上昇に比例して、7月中旬から8月中旬に急増します。

最高気温が34℃を境に、乳脂肪や空気を含む「アイスクリーム(約-7℃)」から内臓をダイレクトに冷やす純氷の「かき氷(約0℃)」へと人気が移る傾向があります。気温が体温と変わらない猛暑下では、冷やす力が強いかき氷を好むようになるためかもしれません⓫⓬。その結果、体熱を放熱する力を抑え込むため、体温調節機能に狂いが生じますので、過剰摂取には要注意です。

発汗しているときは、血液が体表に集中しています。一方、消化器への血流は相対的に減少しています。胃腸の働きが抑制されているときに、冷たいものや水気の多いものを過剰に摂取すると、胃腸の調子が悪くなり、夏バテを助長します。体力が低下すると、外気温の熱が体内にこもり、熱中症を誘発します。

「夏土用」を乗り切るためには、適度な放熱と適切な冷房使用が重要です。

■適切な冷房の温度とは

体に負担をかけない適切な冷房の温度は、どのくらいでしょうか。

一般的に、夏場を快適に過ごすための理想的な環境は、湿度が50~60%、25℃~28℃と言われています⓭。冷房の設定温度も、この範囲を目安に調整するのが望ましいと思います。

8月は、外気温が11時頃から上がり始め、14時頃をピークに17時頃まで暑さが続きます。一方で、建物内の室温ピークは外気より約1時間遅く、15時頃を頂点に19時ごろまで熱気が留まります。この時間帯に、空調を適切に稼働することが重要です。

ここで注意すべきことは、過度に室温が低い中で長時間居続けると、暑さに対応する適応力が失われるということです。

地域別に「暑いと感じる温度」のアンケートデータがあります。ほとんどの地域では「30℃前後」ですが、北海道だけは「25.9℃」です。北海道は、湿度や気温が他地域と比べても上がりにくいため、暑さに対する体感温度の基準値が低くなっていると考えられます。これは、一日中冷房が効いた低すぎる温度の中にいる状況と似ています。

真夏日や猛暑日が続く地域では、涼しくなる10月頃まで冷やしすぎに注意することが、「夏土用」後におこりやすい夏バテ予防につながります⓮。

また、室内の温度が高くなりやすいお住いの場合、

1)直射日光が差し込む窓や壁はカーテンなどで遮る 2)午前中のうちに一度窓を開ける 3)サーキュレーターなどで空気の対流を起こし 冷房の直撃を避ける

などの工夫が必要です。室内の風通しを工夫すると、夜間から明け方の室温が下がりやすくなります。

配信元: JIJICO

提供元

プロフィール画像

JIJICO

JIJICOでは、今のトレンドや話題のニュースをテーマに取り上げ専門家が独自の視点で徹底解説。弁護士、公認会計士、税理士、社労士、医師、ファイナンシャルプランナー、心理カウンセラーなど多彩な執筆陣が揃い踏み。読者の疑問や悩み、問題解決のヒントとなる情報を提供します。