●1位でない候補者が選ばれるケース広がる
こうした選考は、京都大だけの特殊な出来事ではない。
かつて国立大学のトップは、教職員による投票結果をもとに、教員で構成される評議会が指名していた。
しかし、2004年の国立大学法人化によって、教職員による投票は「意向投票」と位置づけられ、最終的な選考権限は総長選考会議、現在の総長選考・監察会議へ移った。
さらに、2014年の国立大学法人法改正では、トップの選考方法そのものも選考会議が決められるようになり、同年の学校教育法改正では、教授会の権限も大幅に縮小された。
その結果、教職員による投票で1位ではなかった候補者が、総長や学長に選ばれるケースが各地でみられるようになっている。
総長選考・監察会議は、教育研究評議会の学内委員と経営協議会の学外委員で構成されるが、経営協議会の学外委員は総長が選任する仕組みとなっている。
教職員の意向と異なるトップが選ばれることも制度上可能となり、その現実が京都大学でも表れたかたちだ。
●「国際卓越研究大学」への対応も争点に
今回の総長選考では「国際卓越研究大学」への対応も大きな争点となった。
国際卓越研究大学は、世界最高水準の研究大学を目指す大学に、政府の10兆円ファンドの運用益から毎年数百億円を助成する制度だ。
京都大は2025年12月に候補校となり、その前提として、教授を頂点とする小講座制を廃止し、研究者を大きなグループに再編する「デパートメント制」の導入が求められていた。
職員組合のアンケートでは、立川氏が6人の候補者の中で最も早い「2年での完全移行」を掲げていた。
そして立川氏が次期総長に決まると、約2週間後の7月3日、京都大学は国際卓越研究大学への認定を受けた。
こうした経緯から、集会では「制度を主導する内閣府の意向が総長選考に影響したのではないか」と疑問視する声も上がった。

