手紙から始まった、画家と作曲家の友情
アルノルト・シェーンベルク《自画像》(1908年)。アーノルト・シェーンベルク・センター(ウィーン)蔵。作曲家は絵も描き、「青騎士」展にも出品していた。, Public domain, via Wikimedia Commons.
コンサートで感じた興奮は、一枚の絵を描いただけでは収まりませんでした。二週間ほど経った頃、まだ一度も会ったことのないシェーンベルクに向けて、カンディンスキーは手紙を書きます。
「あなたが音楽で実現したものを、私は絵画でずっと求めてきたのです」
そして、こう続けました。
「今は不協和に聞こえる音も、絵の中で衝突する色も、明日にはきっと調和になる」
シェーンベルクはすぐ返事を送ります。二人のやり取りはそのあとも続き、生涯にわたる友情へと発展しました。
親しくなるにつれて、カンディンスキーは意外な事実を知ります。シェーンベルクもまた、絵を描く人だったのです。彼は作曲の合間に自画像や幻視を油彩で描いていました。
作品のいくつかは、カンディンスキーが仲間たちと開いた「青騎士」の展覧会にも並んでいます。音楽家が絵を描き、画家が音楽から絵を生み出す。二人にとって音と色は、まったく別の世界ではなかったのでしょう。
黄色はトランペット、青はチェロ
カンディンスキーは、色と音の対応を理論として書き残しています。1911年に出版した著書『芸術における精神的なもの』には「色はキーボードであり、目はハンマーであり、魂は多くの弦を持つピアノである」という説明があります。
彼にとって色は、それぞれ異なる楽器の響きを持つ存在でした。「黄色」はトランペットの鋭い音。見る者に向かって攻撃的に迫ってくる色です。
「青」は深くなるにつれて楽器が変わります。明るい青はフルート、暗くなるとチェロ、さらに深い青はコントラバス、最も暗い青はオルガン。
「赤」はチューバやティンパニの力強い響き。
「オレンジ」はアルトの歌声やヴィオラの温かみ。
「緑」はヴァイオリンの穏やかな中音域。
ここで冒頭の《コンポジションVII》をもう一度見てみてください。赤い塊はティンパニのように響き、青い面はチェロの持続音を奏で、あちこちに散った黄色い断片がトランペットのように鋭く差し込んでいる。
色の重なりが和音、線の流れがメロディ、画面全体が一つのオーケストラとして鳴り始めたように感じます。
