なぜうなぎを食べるの?

日本では、夏の土用の丑の日にうなぎを食べる習慣があります。夏バテを防ぎ、暑さで落ちがちな体力を補うためですが、数ある食材の中でうなぎが定番になったのには理由があります。
「平賀源内のコピー」説がよく知られている
うなぎを食べる習慣が広まったのは江戸時代だといわれています。もっとも有名なのが、蘭学者・発明家の平賀源内(1728〜1780年ごろ)にまつわる説です。夏場に売り上げが落ちて困っていたうなぎ屋の相談を受け、源内が「本日、土用丑の日」という張り紙を提案したところ大繁盛した——という逸話です。
ただし、この源内説を裏づける確かな史料は見つかっていません。あくまで有力な言い伝えのひとつとされています。文献からは、江戸時代の安永・天明年間(1772〜1789年)ごろに、土用の丑の日にうなぎを食べる習慣が始まったと考えられています。
さらにさかのぼると、奈良時代の歌人・大伴家持が『万葉集』で「石麻呂に 吾れもの申す 夏痩せに よしといふ物ぞ 鰻(むなぎ)取り食(め)せ」(=夏やせにはうなぎがよいので召し上がれ)と詠んでおり、うなぎが夏バテによいという言い伝えは古くからありました。加えて「丑の日に『う』のつくものを食べると病気をしない」という民間の食養生の考えもあり、うなぎは丑の日の食べ物としてぴったりだったのです。
