急性大動脈解離の症状についてよくある質問
ここまで急性大動脈解離の症状などを紹介しました。ここでは急性大動脈解離の症状についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
急性大動脈解離は死亡する可能性がある病気ですか?
林 良典 医師
はい。急性大動脈解離は、死亡する可能性がある重篤な病気です。特に上行大動脈に解離が及ぶStanford A型では、心タンポナーデ、大動脈破裂、心筋梗塞、脳梗塞、臓器への血流障害などを起こし、生命に関わることがあります。
治療開始までの理想的な時間を教えてください
林 良典 医師
急性大動脈解離は、何分以内なら安全といえる明確な時間はありません。病型や合併症の有無、患者さんの状態、病院の体制によって必要な対応が変わるためです。
ただし、Stanford A型では治療が遅れるほど死亡リスクが高くなり、発症後、治療されない場合は1時間ごとに死亡率が約1〜2%上昇すると報告されています。そのため、疑われた時点でできるだけ早く検査を行い、診断後は速やかに治療へ進むことが重要です。
参照:『日本循環器学会 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン』(日本循環器学会/日本心臓血管外科学会/日本胸部外科学会/日本血管外科学会合同ガイドライン)
編集部まとめ

急性大動脈解離は、突然の激しい胸痛や背部痛が代表的な症状です。痛みが胸から背中、腹部、腰へ移動することもあり、冷や汗、吐き気、失神、意識障害、手足の麻痺などを伴う場合は緊急性が高いといえます。
症状が一時的に軽くなっても、安全とは限りません。急性大動脈解離が疑われる症状がある場合は、自己判断で様子をみず、救急要請を検討するようにしましょう。
できるだけ早く医療機関につながることで、検査や治療に進みやすくなります。突然の強い胸痛や背部痛を感じたときは、「少し休めばよい」と考えず、命を守るために早めの対応を心がけましょう。

